指名キーワードとは、企業名やブランド名、店舗名など、特定の企業やサービスを指し示すキーワードのことです。
指名キーワードで検索することを「指名検索」と呼びます。
例えば当サイト「マーケティングクエスト」の名前で検索するのが指名検索にあたります。指名検索するユーザーは、すでにその企業やサービスを知っており、利用する可能性が高い見込み客だと言えます。
また、指名キーワードはSEOでも上位表示しやすい傾向にあります。それなのに、わざわざ広告費をかけてリスティング広告を出稿する意味はあるのでしょうか?一見、無駄に思えるかもしれません。
しかし実は、指名キーワードでリスティング広告を配信することには、大きなメリットがいくつもあるのです。
この記事では、指名キーワードにリスティング広告を出す意味について詳しく解説します。まだ指名キーワードでの広告出稿を行っていない方は、ぜひ参考にしてみてください。
指名キーワードでリスティング広告を出稿するべき3つの理由
他社の広告が表示されることによる機会損失
リスティング広告では、競合他社が自社の店名や会社名などの指名キーワードで広告を出稿することが可能です。
リスティング広告枠は自然検索結果よりも上位に表示されるため、競合他社の広告が上位に表示されると、本来自社に訪問するはずだったユーザーが競合サイトに流出してしまう危険性があります。
このような機会損失を防ぐには、自社でも指名キーワードに広告を出稿し、検索結果の上位を確保することが重要です。自社の指名キーワード広告を配信することで、既存顧客や見込み客を逃すリスクを抑えることができるのです。
同名他社が表示される際に、自社サイトを表示させる
同名他社の広告が自社の検索結果に表示されることで、ユーザーが検索意図と異なるサイトに誘導されるリスクがあります。
例えば、「アップル」で検索した場合の検索結果を見てみましょう。
自然検索結果では、iPhoneの「Apple」が1位に表示されています。
しかし、もしAppleがリスティング広告を出していなければ、車買取の「アップル」の広告が検索結果の最上位に表示されてしまいます。
「アップル」というキーワードだけでは、ユーザーがiPhoneを探しているのか、車買取を探しているのか判断できないため、両社とも広告を出稿しているのです。
iPhoneを探しているユーザーにとって、車買取の広告が上位に表示されるのは違和感があります。一方、車買取を探しているユーザーにとっては、iPhoneの情報ばかりが表示され、目的のサイトを見つけるのに手間がかかります。結果的に検索を諦めたり、他のキーワードで再検索したりするなど、ユーザー離れを招く恐れがあります。
さらに車買取の「アップル」は、自社名で検索しても自然検索結果の1位に表示されていません。リスティング広告を出稿しなければ、自社名であるにも関わらず検索上位に現れないという事態に陥ります。
このように同名他社の存在により、自社サイトが検索意図に合ったユーザーに適切に届かないリスクがあるのです。そのような場合は、指名キーワードでリスティング広告を配信し、自社サイトへの誘導を強化することが重要だと言えます。
検索結果の占有面積を広げ、サイトへの流入数増加と流出の防止
Internet Marketing Ninjas社の調査によると、自然検索で1位に表示された際のクリック率は約21.1%前後と言われています。
一方、商標などの指名キーワードでは、他との重複度などにもよりますが、40~70%程度のクリック率が見込めます。
しかし、いずれの場合も一定数のユーザーは別のサイトにアクセスしているのが現状です。
そこで、自然検索に加えてリスティング広告を出稿することで、検索結果画面での自社の占有面積を広げ、サイトへのアクセスを増やしてユーザーの流出を防ぐ効果が期待できます。
例えば、ビットコインで有名な「ビットフライヤー」で検索した場合、以下の画像の赤枠部分が広告と自然検索によるビットフライヤーの占有面積となります。
仮に広告を出していなかった場合、自社の占有面積は一気に減ってしまいます。
また、検索結果の下部にはニュースサイトやブログなど、タイトルを見ただけで気になるサイトが多数表示されています。
自社への流入数を増やし、ユーザーの流出を防ぐためには、指名検索でリスティング広告を表示することが重要だと言えるでしょう。
まとめ
この記事では、リスティング広告において指名キーワードを出稿することのメリットについて解説しました。
企業名や店舗名などの指名キーワードで広告を配信することは、一見すると広告費の無駄遣いのように思えるかもしれません。しかし、指名検索で自社を探しているユーザーを確実に取り込むという観点では、大きなメリットがあると言えます。
指名キーワードで検索しているユーザーは、すでに自社に対する認知や興味があり、購入意欲も高い傾向にあります。そのため、広告を出稿しなくてもサイトにアクセスしてくれる可能性は高いでしょう。
ただし、競合他社が自社の指名キーワードで広告を出していたり、検索結果で上位表示されていたりすると、せっかくの見込み客を逃してしまうリスクもあります。
指名キーワードでの広告出稿は、予算との兼ね合いを考えながら、適切に運用していくことが重要だと言えます。自社の状況に合わせて、メリットとデメリットを比較検討し、最適な施策を講じていきましょう。
※1…出典:Announcing: 2017 Google Search Click Through Rate Study|Internet Marketing Ninjas Blog
※2…弊社取り扱い事業者のSearch Consoleデータに基づく