販路を拡大し更なる売上アップを目指すとき、最初に検討すべきは楽天やAmazon等へのモール出店ではないでしょうか。
とはいえ、どのモールに出店したらいいのか?費用はどれぐらい?出店したら本当に売れる?など不安や疑問が尽きないものですよね。
今回は、モール出店前に知っておきたい3大ECモールの楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの特徴をまとめてご紹介します。
モール出店時のご参考にしてみてください。
なぜモール出店なの?
最近、『モールに出店したいんだけど、モールってどうなんですか?』といったご相談を受けることが多いです。
以前に増してモール出店に興味をお持ちの方が増えたように感じます。
EC業界全体としても、自社と複数モールの多店舗運営をされている企業が多く、“モールに出店しない”という選択肢は少なくなってきています。
では、なぜモール出店なのでしょうか?モールに注目する理由としては2つあると考えています。
理由1:モールの圧倒的な集客力
例えば、欲しい商品を探す時、GoogleやYahooで検索しますよね。検索結果にモールの集客力の強さが表れています。
上記は、GoogleとYahooで『浴衣 こども』と検索した場合の検索結果です。
ピンクで囲んだ箇所は、モール関連の検索結果が掲載されている部分です。
楽天やAmazonが出稿しているリスティング広告や各モールの特集ページや検索結果ページへのリンクが表示されています。
検索結果の大半を楽天、Amazon、Yahooが占めているのが一目瞭然ですね。
理由2:モールユーザーの囲い込み
アプリによる囲い込み
スマートフォンからのオンラインショッピングの利用者増加に伴い、各モールアプリの利用者数も大幅に伸びています。
使い慣れたアプリを利用するユーザーが多く、欲しい商品があれば、楽天やAmazonのアプリで検索しそのまま購入といった行動パターンも多くなっています。
モール会員/モールポイントによる囲い込み
近年、各モールによるユーザーの囲いこみ戦略が激化しています。
楽天、Yahooはポイントによる囲い込み、Amazonはプライム会員の特典を充実させる戦略でそれぞれ囲い込みを図っています。
これらの囲い込み戦略により、自社ECサイトよりも様々な特典を得られるモールを利用するユーザーが増えており、さらに1つのモールに絞って利用する傾向も見られます。
こうした囲い込み戦略により、モールがより大きく成長していくことが予想されます。
モールへの出店が事業拡大の鍵になってくることは間違いないですね。
楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon各モールの特徴
失敗しないモール出店のためには、各モールの特徴を理解し、それぞれにあった施策を行っていく必要があります。
まずは、3大ECモールの業績を比較してみましょう。
モールの業績
楽天市場 | Yahoo! | Amazon | |
---|---|---|---|
年間流通総額 (2017年度) |
3.4兆円 ※楽天グループ含む |
1.2兆円 ※アスクル含む |
1.8兆円 ※推計値 |
出店数 (2017年調べ) |
4.5万店舗 | 51.4万店舗 | 25~30万店舗 ※推計値 |
会員数 (2017年調べ) |
9,520万人 | 1,979万人 ※ソフトバンク会員 Y!モバイル会員含む |
200~300万人 ※推計値 日本のみ |
アプリユーザー数 (2017年調べ) |
1,330万人 | 617万人 | 1,250万人 |
モール出店にかかる費用
次に、出店時に1番気になる費用について見ていきましょう。
楽天市場 | Yahoo! | Amazon | |
---|---|---|---|
初期費用 | 60,000円 | 無料 | 無料 |
月額出店料 | 4プラン 19,500~100,000円 |
無料 | ・大口出品 4,900円 ・小口出品 0円 ※基本成約料100円/件が別途必要 |
システム使用料/ 売上(販売)手数料 |
2.0~7.0% ※各プランによる |
無料 | 8~15% (商品カテゴリーによる) ※Kindleアクセサリは45% |
決済手数料 (一部の決済例) |
(楽天ペイ利用料) 決済高の2.5~3.5% |
クレジットカード決済金額の3.24% | 無料 ※売上手数料に含む |
その他費用 | ・楽天スーパーポイント負担 1.0% ・アフィリエイト システム利用料、成果報酬 等々 |
・Tポイント負担2.5%~ ・アフィリエイト手数料、成果報酬 等々 |
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モールの特徴まとめ
楽天市場
圧倒的な集客力。本気で売上UPを目指すサイト。
■メリット
- 会員数は群を抜いて多く、圧倒的な集客力。モールイベントを利用することで、短期的な売上UPが可能。
- 店舗の独自性をウリにしており、自社サイトのようなブランディングが可能。
■デメリット
- ページ制作等運用面のハードルは高め。
- 出店料・手数料が高い。
Amazon
手軽さNo.1。トップクラスの集客力!
■メリット
- 出店ではなく、商品を“出品”するシステム。1品からスタートでき商品登録のみで出品可能。
- FBA利用で、在庫管理、発送・梱包までAmazonがやってくれるので少人数で運営可能。
■デメリット
- 店舗の独自性を出しづらく、リピーター獲得が難しい。
- 一つの商品を複数店舗が販売する出店形式のため、価格競争が激しい。
Yahoo!ショッピング
費用重視ならYahoo! 高成長で期待度大。
■メリット
- 楽天、Amazonに比べ、月額費用が安いため出店しやすい。
- 2017年度の取扱高は前年度比31%増。ソフトバンクとの連携で、今後の成長が期待できる。
■デメリット
- 出店数が多く、他モールに比べモール自体の集客力が弱いため、店舗集客が難しい。
さいごに
今回は、各モールの特徴についてまとめてご紹介しました。
モールへ出店し露出が増えれば新たな可能性は広がりますが、モールへ出店するだけでは売れません。
各モールの特徴を把握し、それぞれの戦略を活かした店舗運営を目指しましょう。