株式会社セントラルパーク
作って終わりでないことが決め手でした。セントラルパークのWebサイトリニューアルの裏側
- 感じていた課題
- スマートフォンへの対応、リアルタイムでの情報更新
- 支援結果
- スマートフォン対応ができ、自由な情報更新が可能に。直帰率も大幅に改善
- 提供サービス
- Web集客改善コンサルティング、ホームページ制作
話し手:株式会社セントラルパーク
営業部(当時) 片桐 拓哉 様
聞き手:株式会社アクシス
制作部 青木 伸悟
ー御社のビジネスについて教えてください。
片桐:弊社は、名古屋市の栄駅と久屋大通駅の間にある地下街「セントラルパーク」を運営する会社です。
主な業務は、商業施設としての地下街全体のプロデュースのほか、テナントとして入居する店舗の支援などです。例えば、日時の売上管理をはじめ、店舗の売上を支援するキャンペーンや集客イベントなどの開催や、店舗スタッフへの健康診断や予防接種の実施など福利厚生面でのサポートも行っています。また隣接する地下駐車場も弊社で運営しています。
スマートフォン利用者が70%だったが、スマホ未対応だった
ー以前からWebサイトはあったと思いますが、どんな課題を感じられていたのでしょうか。
片桐:もっとも大きな課題は、スマートフォンへの対応でした。実は私が入社した2016年、旧ホームページはトップページしかスマートフォンに対応していなかったのです。そのためトップページから詳細ページに行くと、PC向けサイトのデザインになってしまい、お客様にもかなりご不便をおかけしていると感じていました。
とはいえ、私たち商業ディベロッパーは、普段の業務がまだまだアナログです。例えば、店舗の売上管理は、店舗から締めレシートを出してもらい、紙で報告を出してもらうというやり方が主流です。
宣伝に関しても、長年テレビや新聞といったマスメディアを宣伝の基本としていました。また、従来の顧客はデジタルネイティブが少なかったため、チラシや交通広告なども頻繁に利用していました。
そういった背景もあり、同業他社と比べてもホームページやSNSの活用が後手に回っていたと感じます。
さらに地下街のホームページをリニューアルしたところで、ECサイトでもないので、売上など目に見える指標がありません。いくら導線を整備してよいホームページをつくっても、費用回収の目算が立てづらく、施策が後手に回っていました。
ーその中でホームページのリニューアルを決断されたのは、どういった理由でしたか。
片桐:2018年ごろからWeb広告にも少しずつ取り組んでみるようになりました。
ディスプレイ広告を配信してみたところ、費用対効果がかなり高い。少ない予算で始められますし、さまざまな媒体に横断して出稿してみましたが、Webは低予算でもインプレッションがかなり稼げます。そういった目的での利用であれば、効果的という認識が社内で少しずつ浸透したきたのです。
社内でそういった土壌が出来上がってきたタイミングで、地下街がリニューアルを迎えることになりました。Webからも客層を広げるチャンスだと感じ、サイトリニューアルを提案することにしました。
決め手は「ホームページを作って終わりでなかった」こと
ーアクシスにご縁をいただいた理由は何でしたか。
片桐:ホームページのリニューアルのため業者を探している時に、紹介でアクシスさんを知りました。他社も含めて検討した結果、大きく2つの理由で依頼を決めました。
1つ目は、制作の方と直接やり取りできる、レスポンスの良さです。
以前のホームページは、大手代理店にお願いしていました。しかし、実際の制作会社との間には、他にも何社も代理店を挟んでいます。それで代理店を挟んでいるからこそ出せる価値があればよかったのですが、その価値があまり感じられませんでした。実際、細かいやり取りは、直接制作会社と行っていたこともそう感じた一因でした。
また今回提案を受けていた他の制作会社の多くは、代理店経由での紹介でした。ただ窓口となる担当者に知識があまりないと感じるケースもあり、伝言ゲームの結果、私たちの意図がきちんと伝わっているのか不安になることがありました。こういった理由から、ダイレクトなやりとりに魅力を感じました。
2つ目は、社長の臼井さんが言われた「作って終わりでなく改善していく」ことでした。
今回のホームページリニューアルでは、凝った仕様のホームページをつくるつもりはなく、むしろスマートフォンへの対応やお客様の使いやすさを向上することが目的でした。
しかし他社からの提案は、「こんな綺麗なサイトが作れますよ」で話が終わっていることが多く、どこかモヤモヤを抱えていました。その点、アクシスさんからは「一度作って終わりでなく、運用しながら良いものを作っていきましょう」と提案を受けました。ホームページを作った後のブラッシュアップができるかというサポート面を重視したかったので、その姿勢に惹かれた部分は大きかったと感じています。
上記の理由に加え、かつてアクシスさんがECサイトを運営してトライ&エラーをご自身で実践されてきた経験などを聞き、蓄積されたスキルをお持ちの会社かなと思い、ホームページ制作の依頼を決めました。
ホームページ制作でこだわったこと
ーホームページを作っていく上でどういった部分にこだわられたのでしょうか?
片桐:私が大事にしたのは、UI(ユーザー・インターフェース)の部分です。セントラルパークのホームページへのアクセスのうち、7割はスマートフォン経由でした。よってデザインを作る上でも、スマートフォンの操作性を重視していこうと考えていました。
例えば、LINEやApp Storeのアプリは頻繁にアクセスするボタンが画面の下部にありますよね。スマートフォンは手に持って使うので、親指で操作することを考えると、アプリのような配置がベストだと考えたのです。そこで、ボタンの配置は、画面の下部に集約することにしました。
青木:実際、デザインを起こす前のワイヤーフレームの段階から、実際のスマートフォンを用いて表示を確認したのを覚えています。
片桐:また、今回のリニューアルでは顧客のターゲット層を広げる予定でしたので、サイトの色味などは社内で色々な世代の方に意見を聞きながら進めました。
今回のセントラルパークのリニューアルは、地上にある久屋大通公園の再開発がきっかけです。以前の久屋大通公園は、お世辞にも活気があるとは言いづらい公園だと感じていました。
しかし今回、三井不動産さんが入られて、人々が行き交う、活気のある公園になったと感じています。それゆえ以前より遠方からも、幅広い年齢層の方が訪れるようになりました。セントラルパークはこれまで、F1層を中心とした女性がターゲットの施設でした。しかし、これからは老若男女問わず幅広い年齢層の方に利用いただける施設にしたいという想いがありました。
サイトデザインについて議論をしていく中で、地上と地下の連動性を表現するために、トップページのファーストビューにイラストを置くことにしました。上に公園があり、地下に買い物をしている絵があり、その下に駐車場がある。これなら公園の再開発をきっかけに久屋大通に訪れた方でも、地下街の存在が視覚的に分かりやすいのではないか、と考えてのことです。
ー今回のホームページは、社内で更新できる範囲を広げたと聞きました。仕組み面で工夫したことはあったのでしょうか。
片桐:以前のホームページは、自分たちで更新できる部分が少ないことが課題でした。例えば、画像1つを差し替えるために毎回制作会社に連絡が必要で、かつ平日のみの対応でした。
平日土日問わずお客様がいらっしゃる商業施設のサイトとして、何をいつ開催していて、どのようなお店があるか。アクセス方法や駐車場はどうなのか。こういった情報の更新が遅れるのはよくないことだと考えました。だから、自分たちで情報がリアルタイムで更新できる仕組みが必要だったのです。
最終的には、私たちが更新できる部分と、各店舗で自由に更新できる部分を分けました。各店舗が情報を発信する流れに、私たちの手が必要になってしまうと、どうしても時間がかかってしまいます。そこで基本的に各店舗が更新して、すぐに反映されるようにしたんですね。
青木:システム構築では、いかに社員・店舗の方双方に簡単に更新してもらえるかを考えるのに苦戦しました。検討した結果、CMSを使って、キャンペーンのバナーやイベント情報を自由に変えられる仕様にしました。店舗の方向けには、各店舗ごとにアカウントを登録していただき、バナーの登録やブログの更新が簡単にできる仕組みを導入しています。
片桐:バナーなどは更新頻度が高いので、自社で簡単に更新できるのはありがたいです。店舗スタッフからも、きちんと更新できていると聞いています。結果として、自社、店舗、お客様の3者がそれぞれ満足できる仕様になったと思っています。
ホームページリニューアルで直帰率が大幅改善
ーホームページをリニューアルされた反響はありましたか。
片桐:直接お客様から声をいただく機会はあまりありませんが、RAYARD Hisaya-odori Parkのオープンやセントラルパークのリニューアルの影響もあり、サイトへのアクセス数は増えています。また以前のホームページに比べて、スマートフォンからのアクセスにおける直帰率も7.2pt改善されています。指標を見る限り、興味関心を持つ人が増える中でしっかりと情報を届けられるホームページになったのかなと思っています。
ー社内や店舗の方からどういった声がありましたか。
片桐:社内からは概ね「見やすくなったね」との声をもらっています。また店舗からもホームページに関する不満は特に上がってきていません。致命的な欠陥もなく、問題なく運用できています。
アクシスの良さは、Web施策全体を見て、ワンストップで依頼できること
ーアクシスに依頼して実際どうでしたか?
片桐:一番よかったのは、Web施策ごとに細分化せず、広く視野を持つパートナーとなってもらったことです。ホームページはA社、Web集客にアドバイスをもらうのはB社。SNS広告とLP制作はC社。このように施策ごとに会社が分かれてしまうと、その分だけ打ち合わせやスケジュール管理の工程が増えてしまいます。今まさに検証中ですが、できればアクシスさんに集約できないかと思っています。そうすれば発注先を分けなくて済むので、ワンストップで施策が進められる利便さを感じますね。
ー担当者と対応で困ったことはありませんでしたか?
片桐:特に困ったことがなくスムーズに話が進んだと思います。これまで担当者と話が噛み合わないことも結構ありましたが、今のところありません。
制作会社と直取引になる時に少し懸念していたのが、あまりに職人気質な方が来てしまい、コミュニケーションがうまく取れないことでした。専門用語の噛み砕き方もそうですし、単純な日々のコミュニケーションが合わないと、うまく進みません。そこが噛み合わないと、誰か挟んでくださいという本末転倒なことになってしまいますしね。
しかし、実際に取り組みを始めたら、全然そんなことはなかったです。代理店の方と同等か、それ以上に話しやすい方ばかりで、杞憂に終わりました。
今後期待すること
ー今後アクシスに期待することはありますか?
片桐:ここ5年、10年で情報発信は大きく変わっています。かつて情報収集はPCの利用がメインでしたが、今はスマートフォンが主流になってきています。ホームページだけではなく、SNSも台頭してきています。
今回はホームページをリニューアルすることでようやく時代に追いつけました。しかし、今後も一定の周期で情報発信のあり方は変わっていくものだと思います。実際、新型コロナという大きな変化があり、デジタルの活用も変わってきています。百貨店さんの中では、オンライン接客の仕組みの導入も進んでいますよね。こういった変化に適応するために、Web集客のプロの目線でアドバイスをいただければと思っています。
また最初に臼井さんとお話したのは、デジタルとリアルの行動が繋げられる仕組みの構築でした。
Webでは情報発信するだけの視点だと、「このページでこういう情報を伝えられた」に留まってしまいます。実際に店舗で購買が起きたかどうかまで、なかなか見えません。現状では、Webでキャンペーンを打って効果を測定しようと思っても、イベントの受付会場でアンケートを取るくらいしかできることがありません。
かなり難しいテーマだと思いますが、Webでの情報発信とリアル店舗での購買行動の間がシームレスにつながるような仕組みを構築するお手伝いや、ヒントをいただければと思っています。
取材協力:株式会社セントラルパーク
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