ナカシャクリエイテブ株式会社

ホームページがただの会社案内だったBtoB企業が、YouTubeで情報発信を始めた理由

感じていた課題
さまざまな分野にまたがる事業内容がうまく伝えられていない
支援結果
YouTube×メルマガで情報発信する仕組みを構築。営業にも変化が生まれた
提供サービス
HubSpot導入・運用支援、Web集客改善コンサルティング

話し手:ナカシャクリエイテブ株式会社 山口様、中井様
聞き手:株式会社アクシス


ー御社の事業はどういった事業をされているのでしょうか。

山口:ナカシャクリエイテブは、今年が創業61年目になります。もともと「中日本写真工業」という社名で、写真業を営む会社でした。マイクロフィルムや大きな図面の複製など、写真技法を使った複写や複製、特殊印刷などの業務を行っていました。

1990年くらいにデジタル化の波が来て、私たちの事業もデジタル化を進めました。例えば、大型図面のスキャニングや、アナログ地図のデジタル化、設計業務のCAD化など。それまでのアナログ作業を一気にデジタル化に切り替えるよう、大きく舵を切りました。

現在は、電力・ガス・通信に関わるライフライン事業が5割、鉄道や道路など交通インフラに関わる事業が3割、あと文化財や行政、製造業に関わる事業などが2割ほど。東海地区を中心とした優良企業さんと長くお付き合いいただき、安定的に成長してきました。

ホームページがただの会社案内になっていた

ーどういった経緯で弊社とご縁をいただいたのでしょうか。

山口:経営者団体でアクシスの臼井さんとお会いしました。臼井さんから聞いたお話で印象的だったことが2つあります。

1つ目は、ほとんどの中小企業のホームページが会社案内になっている。営業目的のサイトは、別にすべきということ。2つ目に、BtoB企業こそセールス的な要素を入れて、Webサイトを充実させれば顧客が獲得できることです。

弊社は、お客様の内部資料をお預かりして編集・加工する事業が主です。お客様との守秘義務があるため、詳しい業務内容をWebに掲載することはできません。ですからホームページは、会社の信頼を得るための会社案内で良いと割り切っていました。

営業面では、既存顧客の比率が高く、口コミや紹介などのお問い合わせに対応するだけで、Webによる積極的な新規顧客獲得を目指していませんでした。自分たちのノウハウなどを発信すると同業他社に真似されるのではないかなど、どちらかと言えばネガティブなイメージが強かったと思います。

とはいえ、商品を調べれば情報が無数に出てくる今。お客様が発注先を選ぶ時、「自分たちの想いを正しく理解してくれる」「当社と同じような経験をしているから、解決策も持っているだろう」という安心感が必要になるはず。

お客様は、製品の機能や価格だけでなく、製品開発の経緯や想い、他社製品との違いを知りたがっているはず。それをWebを使って広く、多くの人にアピールしたいと思っていました。

決め手は「会社のことを一番に考え提案してくれたから」

ーアクシスにコンサルティングを依頼いただいた決め手は何でしたか。

山口:当社は100%BtoBの会社ですが、商材の特性上、買っておしまいでなく継続的なお取引になることが多いです。そのためには、自分たちの姿勢を明確に示し、共感していただくことが重要です。そこでWebを活用して、私たちの姿勢を発信したいと感じていました。

アクシスさんとお話しする中で、私たちの業務そのものが理解しづらいため、記事を長々と書くよりも、動画のほうがよいと思いました。業務内容や顧客名は特定せず、現場のノウハウや技術、経験、考え方などをYouTubeでPRしていくことにしたのです。アクシスさんは、そういった情報発信に知見があり、相談に乗ってくださったのでぜひお願いしたいと思いました。

中井:以前からアクシスさんのセミナーなどに参加していました。当時はWebに関する知識はなかったのですが、Googleアナリティクスやその数字の見方、Web施策などについて教えていただきました。

また、その後参加した無料相談会では、多岐に渡る事業をどう発信していくかについて、方向性の部分からとても親身に聞いていただいたのです。

私たちの思いとすり合わせていくなかで、弊社のことを一番に考え、よいプランをご提案いただけたので、お願いすることにしました。

YouTubeを活用して事業内容を発信

ー実際にどういった取り組みをされたのでしょうか。

中井:2020年9月に公式YouTubeチャンネルを開設しようとの話になり、2021年1月にスタートすることになりました。準備期間として3ヶ月しかなかったので、自分で調べたり、アクシスさんと相談したりして、企画をつくっていきました。

特に大事にしたのは、各部門にいる人々を出すこと。弊社ではさまざまな部門があり、それぞれの担当者一人ひとりが思いを持って仕事をしています。そういった方々の良さや個性がうまく伝わる動画を目指したのです。

実際始める際は、社内調整が大変でした。コロナ禍で直接話せないため、Web会議で何度も会議を重ねて方向性を決めていきました。

私自身、YouTubeで動画を公開する方法も分からない状態でしたが、社内で詳しい方に教えてもらったり、制作パートナーさんを入れたりして、なんとか無事スタートできました。

山口:YouTubeを始める上で、動画のクオリティも大事ですが、格好つけず私たちの仕事をまず見せていこうと話していました。発信し続ければ、お客様がいざ何かを検討するとなったとき「経験が豊富なあの人に相談してみよう」という共感を生めるはず。YouTubeには、そういったカジュアルさがありますよね。格好のよいものだけを発信しているとその共感は得られない気がします。

また、いったん発信を始めれば、社内で「うちの部署のこれを紹介したらどうか」といったアイデアが生まれてくるはず。中井さんに入ってもらい、情報発信していってくれる人を社内で増やしていければよいなと思います。

HubSpot導入のきっかけ

ーYouTubeと並行して、HubSpotの導入も進められました。HubSpotの導入を決められたご経緯はなんでしたか。

山口:きっかけは、メールマガジン(メルマガ)を使ってYouTubeの動画をより知ってもらい、営業活動に繋げていくためです。これまでメルマガといえば、文字とURLリンクが羅列されているものとのイメージが強かったと感じます。しかし私がつくりたかったのは、写真や動画へのリンクが載ったニュースサイトのようなメルマガでした。

ちょうどアクシスさんにそのお話をしたところ、HubSpotの話を聞きました。話しを聞いて、メルマガを配信、YouTubeに誘導し、CRMを組み合わせてマーケティングに活用していけるなと感じたのです。

実は6~7年目に、とあるSFAツールを導入しましたが失敗してしまいました。ツールを導入すれば売上があがると勘違いしていて、営業のやり方・仕組みを変えるまでしなかったからです。

ただ今は当時と環境が大きく変わりました。コロナ禍になり、お客様にアポを取って訪問しプレゼンすることが難しくなっています。営業を進める際に、10MBくらいある添付ファイルを送っても、お客様はきっと見ません。

でもメルマガなら興味があれば開いてくれるかもしれません。YouTubeなら営業資料よりも気軽に見ていただけるはず。そういった経緯で、YouTubeとHubSpotを組み合わせていくことにしたのです。

ーツールを導入する際は、最初が大変だとよく言われます。HubSpotの導入はすんなりできましたか?

中井:こういったマーケティングのツール導入は初めてなので他社と比較できませんが、とても使いやすいツールだと感じています。

初めてメルマガを作成しましたが、とても直感的に作成できます。パーツを並べていけばメールができるので簡単です。困ったときには、アクシスさんにもしっかりサポートしてもらえています。

山口:今はまずメルマガを送るところからスタートしていますが、最終的にはメルマガやYouTubeから商談が生まれる形をつくっていきたいです。そのために中井さんには、メルマガやWeb施策などをいろいろと工夫してぜひ成功経験を積んでほしいなと思います。

営業先でお客様から事業について聞かれるようになった

ーYouTubeやHubSpotを導入されて、何か変化は感じられていますか。

中井:最近営業マンが、「御社はこんなことをやっているんだね、知らなかった」とお客様から言われるようになったと聞きました。「御社ではこれもお願いできるんですね」といった気づきがより増えれば、連鎖して新しいつながりが生まれるのではないかと感じています。こういった気づきの連鎖を増やしていきたいです。

山口:20年前くらいから社内でデータベースをつくって、情報共有しようと試みました。ただ弊社は商品がパッケージ化されていないので、担当でない社員が商品を説明することが容易でありません。

その点、YouTubeならプロフェッショナルの社員が説明をしています。だからお客様から「こういうことができるの?」と聞かれたときに、動画を見せれば、次の話へつながっていきます。またお客様と同じメルマガを社内にも送っています。そうすることで、社内でも他部門のことを知るきっかけにもなっていますね。

アクシスは、Web集客の伴走者

ーアクシスに依頼してよかったことはありますか。

中井:新型コロナウイルスで急速に社会が変わり、ITも発展していく中、どうしたら弊社が目指す姿に近づけるか、分からないながら必死に走っている感じでした。アクシスさんにヒアリングしてもらい提案いただく中で、HubSpotを始め、さまざまな方法に取り組みはじめています。

まだWebの知識が足りていないと感じることが多いですが、アクシスさんには本音で相談でき、アドバイスをいただけて本当に助かっています。

最終的には、営業の方も巻き込みながら、弊社のお客様を獲得できる仕組みをつくっていきたいです。アクシスさんはとても信頼しているので、今後もぜひ伴走者となっていただけると心強いなと思っています。

ー今後アクシスに期待することはありますか。

中井:2021年1月にYouTubeがスタートするまで大変でした。これからは施策を育てていくステージになり、さらに大変になると思います。世の中が目まぐるしく変わっていく中、弊社にとって一番よい形を一緒に考えていただけると嬉しいです。

山口:Web集客を考える時、自分たちだけで考えると、考えがどうしても凝り固まってしまいます。外から見た弊社の状況や他の企業の取り組みを教えていただくと、とても参考になります。いろいろと伺いながら、吸収していければと思います。

取材協力:ナカシャクリエイテブ株式会社

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