1から立ち上げたデジタルマーケティングでも、1年でリード獲得数3.5倍を達成。戦略策定から施策実行までをフルサポートした過程とは
- 業界・業種
- 通信ソリューションの提供販売
- 感じていた課題
- 新規顧客を開拓する上で、デジタルマーケティングのノウハウや施策を実行できる人材が社内にいなかった。
- 支援結果
- 戦略から施策までのフルサポートにより、リード獲得数が3.5倍、商談数が1.7倍に。またマーケティングを推進する部署も立ち上がった。
- 提供サービス
- Web戦略コンサルティング、リスティング広告運用代行、サービスサイト制作、HubSpot導入支援、SEO記事制作代行、ホワイトペーパー制作代行
話し手:
日本通信ネットワーク株式会社
営業部 営業企画 兼 マーケティング&セールス担当課長 稲垣 宏 様
営業部 営業企画 兼 マーケティング&セールス担当 宮良 有加 様
聞き手:株式会社アクシス
マーケティングコミュニケーショングループ 青木 伸悟
川村 奈央
ビジネスディベロップメント部 林田 栞理
―御社のビジネスについて教えていただけますか?
稲垣:日本通信ネットワークは、ネットワークに関するソリューションを提供する会社です。現在は、ICTソリューション事業・BPO事業・派遣事業の3事業を展開しています。
ICTソリューション事業は、ICTソリューション、特にネットワークに関連したサービスをお客様にご提案して販売しています。BPO事業は、大手事業者さんからの個別の受託業務を行っています。具体的には、端末のキッティングから、端末が故障した際の代替品の配送などを請け負っています。派遣事業は、NTTさん関連の仕事を請け負ってきたノウハウを活用して、必要に応じてプロフェッショナル人材を派遣して業務をサポートしています。
稲垣:今回支援いただいたのは、ICTソリューション事業の新サービス「FLESPEEQ」です。中小企業のICTをトータルでサポートしようと、2021年に立ち上げました。FLESPEEQのソリューションの中でも、VPNは中小企業の皆様に導入しやすい価格がお客様に評価いただいています。
宮良:いろいろオプションが付けられる柔軟さや、VPN以外も色々なサービスを取り扱っているので、それ以外にも対応できる柔軟さが強みです。
新規顧客の獲得をしたくても、人もノウハウも足りていない状態だった
―ご依頼いただく前は、社内でどんな課題を抱えていたのでしょうか?
宮良:新規顧客の拡大ですね。これまでのお客様は、既存の取引があったNTTグループからの紹介がほとんどでした。会社のWebサイトはあったのですが、お問い合わせも月数件といった状態だったんです。自社のリソースで新規顧客の開拓をしていく必要がありました。
一方で、私も稲垣も営業を兼務しており、リソースに余裕があるわけではありません。また、社内にはWebマーケティングに詳しい人間がおらず、ノウハウもスキルもない状態が課題でしたね。
稲垣:当時は集客するためのサービスサイトもありませんでした。かつて他社でSEOを目的としたコラム作成や、広告出稿も行いました。しかし、思うような結果は出ないけれど、費用が発生する状態で、投資対効果が分からなく止めてしまった経緯がありました。
FLESPEEQを立ち上げるタイミングで、新規顧客を獲得していこうとなりましたが、時はちょうどコロナ禍まっただ中。営業が飛び込みで契約を取ってこれるサービスでもないので、デジタルマーケティングも一つ視野に入れて効率的にやってみたらどうかといった話が営業部内で出ました。とはいえ、社内で専門性のある人もいないので、外部の専門家を探すことにしたんです。
決め手は、戦略から施策実行まで伴走してサポートしてくれそうだったから
ーアクシスにご相談いただいた経緯は何だったのでしょうか?
宮良:まずは検索エンジンを使って、さまざまな会社を探しました。良さそうな会社は資料請求して、またその資料に載っているキーワードでさらに検索してみてといった感じで、最終的には10社くらい調べましたね。
アクシスの第一印象は、Webサイトが非常に見やすく分かりやすかった記憶があります。またダウンロードした資料には、きちんと実績も書かれており、信頼感に繋がったように感じますね。
ーアクシスに依頼を決めた理由は何でしたか。
宮良:最終的に、3社さんと打ち合わせをしたのですが、アクシスさんに依頼を決めたのは、大きく2つ理由があります。
1つ目は、Webマーケティングをトータルでサポートいただける点です。Webの戦略設計から、その後の運用やコンサルティング、制作の部分までワンストップでお願いできるのは、リソースが不足している私たちにとってありがたいと思いました。
2つ目は、実績ですね。B2Bマーケティングに対する知識や実績が豊富で、私たちと同じような通信事業者さんの支援事例があったこともポイントでした。
稲垣:私としては、Web集客をどのように進めたらよいか分からない不安が一番大きかったです。だからこそ、ノウハウや実績を踏まえて、Web集客をどうしたらよいかを導いてくれる会社がよいなと思っていました。
他社さんだと、戦略は作るけどその後はサポートできないという提案でした。戦略だけあっても、その後施策を改善する必要はあるはずです。また私たちは2人しかいないですし、一緒にサポートいただける会社さんが良かったんですね。その点、アクシスさんは戦略から実行までをしっかりと考えて、一緒に進めてくれそうだという安心感が一番大きかったです。
宮良:お話を聞いていて、伴走して一緒に取り組んでくださるイメージがついたんですね。それは提案が具体的だったこともあると思いますが、今後どうなるか想像できたことが良かったと思います。
戦略に合わせてLPを制作し、運用しながら改善していった
ープロジェクトが始まってから、どういったことを取り組みましたか。
川村:まずはWebマーケティングの戦略づくりから始めました。当時コーポレートサイトがあったのですが、そもそもサービスサイトとコーポレートサイトが1つになっていたので、新規顧客向けの内容のみに寄ってしまっていることはお伝えしました。また広告出稿で集客していくために着地先となるページがなかったため、きちんと受け皿となるページを作ってから、広告を出しましょうとお話しましたね。
宮良:これまできちんと分析をしたことがなかったので、気づきばかりでした。お話を聞いて、確かにそうだなと思うことも多くて。
そういえば当時、Web戦略をつくる際にペルソナも設計しました。アクシスさんから提案いただき、大きく2パターンをつくったんです。1つ目は、総務の方が情報システム担当を兼任していて、あまり知識がないパターン。2つ目は、情報システム担当で、ある程度の知識があるパターンです。
ペルソナをつくったことで、そのペルソナ目線でサイトやコンテンツを見て、どう感じるかを考えるようになりました。今もそのペルソナを活かしつつ、Web集客施策を打つようにしています。
また競合他社の分析もしていただいて、今まで感覚的に感じていた立ち位置が明確になって、俯瞰的に状況を見れるようになりましたね。
ーWeb戦略を作ったあとは、どういったことを進めていきましたか。
川村:当初は、まずLP(=ランディングページ)をつくって広告出稿して集客していく予定でした。LPを4ヶ月ほど運用してみて、ABテストをしながら勝ちパターンを見つけて、そのパターンを踏まえてサービスサイトをつくる流れを考えていました。ただ議論をする中で、サービスサイトを早めにつくりたいとの要望もあり、LPを運用しつつサイトも制作することになりましたね。
宮良:今回LPを作る上では、アクシスさんから提案があり、HubSpot CMSを使ってLPをつくりました。ABテストをしながら、コンテンツを改善していこうと話していましたね。実際にLPを運用しながら、ヒートマップを見ていくと、具体的に発生するコストや構成とかがよく見られていることが分かったんです。
川村:実際にヒートマップの結果を踏まえて、LPの改善にも取り組みました。過去事例より料金の部分がよく見られているので、料金表を出したいと考えていました。しかし具体的な料金は出せないとのことだったので、こういった構成だったらこれぐらいの費用感だという項目を追加したんです。結果として、コンバージョン率も改善していきました。
ペルソナに合わせた戦略的なサイト制作
ーサービスサイト制作はどういった経緯で始めたのでしょうか。
稲垣:冒頭でお話したように、FLESPEEQは中小企業向けのソリューションをまとめたサービスで、LPを制作していたのはその1サービスであるVPNだったんです。ちょうどFLESPEEQのラインナップを増やして売り出していこうと、社内にプロジェクトが立ち上がったので、その流れに合わせてサイトもつくることになりました。
川村:サイト制作では、キャッチコピーやキービジュアルも一緒に考えさせていただきました。社内のデザイナーの意見も踏まえて、あまり情報システムに詳しくない方でも見やすいサイトをつくっていきましたね。
宮良:サイトの構成からデザインまで、かなり提案をいただき、つくっていただきました。
稲垣:戦略部分で大きく2つのペルソナを決めたのですが、その中でターゲットとするのが、あまりネットワークには詳しくないが、社内のICTやインフラに課題を感じている中小企業の方でした。そういった方は決して専門用語を知っているわけではないので、分かりやすい言葉を使うようにしたほうがよい、と提案いただき、今のデザインになりましたね。
青木:サイトマップを見てみると分かりますが、「サービスから探す」という動線のほか、「課題から探す」という動線も設けました。これは情報システムに詳しい方ならサービス名から探せますが、あまり詳しくない方も多く見られることも想定して、課題軸でも探せるようにしたんです。ペルソナごとにどういった遷移をするか考えて、ページ構成は決めていきました。
ーサイト制作で苦労したことは何でしたか。
稲垣:今回サービスのリリースと並行してサイト制作をしていたので、なかなかアクシスさんに情報をお渡しできなく、アクシスさんにはご苦労をおかけしたと思っています。ただそういった中でも、少ない情報の中で動線を検討いただき、とても助かりました。
青木:私たちとしては、ネットワークやサービスの知識をそこまで持っていたわけでもないので、いろいろ調べて知識をつけながら作っていくところが大変でしたね。特に、インフォグラフィックを作る際は、デザイナーと何度も議論しながらつくっていました。
ホワイトペーパーやSEOを狙った記事作成もサポート
ーサイトの制作に合わせて、お役立ち資料(ホワイトペーパー)やSEOを狙う記事コンテツの制作も行ったそうですね。
川村:Webサイトを検討する中で、競合他社のWebサイトも調査しました。そこで分かったのは、ネットワーク関連のキーワードで調べると、サービスのページでなく、コラム記事が表示されることが多かったことです。
どの会社さんも、コラム記事で集客していることが分かったので、自然検索からの流入を狙うならコラム記事が必要だと考えていました。そこで2~3年かけてコラム記事を増やしていき、最終的にはオウンドメディアのようにしていきましょう、と提案しました。
稲垣:以前コラム記事をやめてしまったのは、記事を活用して集客まで繋げられなかったからでした。今回、アクシスさんからは記事を書いた後にどのようにコンバージョンにつなげるかまで提案いただいたので、やってみたいと思いましたね。
コラム記事制作については、アクシスさんにお願いしました。記事もただ書けばよいわけではなく、記事にどういった人を集めていくか、どういったテーマをどのくらい作るか、といったことを計画して行く必要があります。私たちには、そういったノウハウはないですし、何より記事を書く時間まで確保できなかったので助かりました。
川村:あとはお役立ち資料(ホワイトペーパー)ですね。いきなりサービスの問い合わせはハードルが高いので、まずは資料ダウンロードをしてもらい、リードを獲得していきたいと考えていました。VPNに関するホワイトペーパーは構成などを担当しましたが、正直大変でした(笑)ただ広告を出してみたら、かなり反響もあり、やってよかった施策ですね。作る過程では、宮良さんにスピーディーに確認・修正いただけて、とても助かりました。
稲垣:ホワイトペーパーは、とても反響がありますね。Meta(Facebook)広告でリード獲得広告を出していますが、結構な数のリードが獲得できています。またホワイトペーパーの内容を営業資料にも活用しています。もう少しわかりやすくできたかもとは思いますが、非常によくまとまっていて、お客様の導入意欲を掻き立てるのにも役立っていると感じています。
HubSpotを導入して、マーケティングの効率化&営業活動がしやすくなった
ー直近では、マーケティング強化を目的に、HubSpotを導入させていただきました。導入の背景などもお伺いできますでしょうか。
宮良:もともと安価なMA(マーケティング・オートメーション)ツールを導入していましたが、正直ほとんど使えておらず、ただのメール配信ツールとなっていました。一方で、サービスサイトを新しくするタイミングで、社内からもマーケティングの強化を期待されていまして。またリード獲得広告の成果が上がってきて、リードが増えてきたので、そのフォローアップの必要性が出てきました。
HubSpotは、もともとLP運用で導入しており、違和感はありませんでした。また活用事例などを見ていて、導入したらいろいろできそうだなと感じました。またアクシスさんからデモ環境をいただき、実際に触ってみて良さそうだなと思ったので、導入することにしたんです。
稲垣:MAツールに関しては、宮良が使いやすいものを選んでくれたらいいよとお任せしていました。導入した今思うのは、かなり効率化できているなと。アクシスさんに協力いただき、フォームを通過したら自動でメールが届く仕組みができたおかげで、すべて人力でやるのは無理な量のメール対応が自動でできています。
またHubSpotを導入したことで、どういった経路で流入して、どういったページを見ていたかが分かるようになりました。そこで営業がその情報を踏まえてトークして、話が盛り上がるみたいなことも起きています。例えば、資料を既に見られている方には「資料をご覧になられたかと思いますが、どういったところが気になりましたか」と話すような感じです。
これまでは履歴などが取れていなかったので、情報を知っていることで商談がしやすくなった気がしますね。HubSpotを導入して非常によかったと思っています。
ーHubSpotの導入にあたっては、どういったことに取り組みましたか。
林田:川村が中心となってリード獲得の施策が進んでいたので、HubSpotでは獲得したリードを商談につなげていくリードナーチャリングをサポートしました。具体的には、資料請求やセミナー申し込みといったコンバージョン地点ごとに、商談につなげていくためのシナリオを考えて、HubSpotに実装していったんです。あとはCRMにどういったデータを持たせるとよいかを設計しました。
宮良:アクシスさんからは、HubSpotの活用について、かなり具体的に提案いただきました。最初はMAツールやHubSpotについて知識もなかったので、どういったワークフロー(自動化処理)を組めるかも分かりませんでした。その部分を提案いただけたので、MAツールの活用の幅も広げられたと思います。
ーHubSpotを使ってみてどういった部分がよいなと感じましたか。
宮良:良いと感じるところはたくさんありますね。例えば、HubSpotと広告を連携することで、広告でコンバージョンした人が自動的にリストになるのは感動しました。あとは、自分でカスタマイズできるので、こういうのがあったら良いなと思えば自分で項目を追加もできます。
また最近では、商談を管理する「取引」の機能を活用しています。マーケティング経由で生まれた確度の高いリードが、その後に案件化したかの流れを可視化できるようになりました。
川村:宮良さんはかなり使い込んでくださっていて、社内でもちょっとした噂でした(笑)
宮良:とても好きですね(笑)
稲垣:私も「取引」をメインで使っていますが、商談の状況がカンバン形式で視覚的に見れるのはいいですね。対応が止まっている商談がひと目でわかります。また初回の商談で聞いておくべきことも入力する項目が用意されており、とても使いやすいなと感じますね。またまだ使い切れていませんが、今後ダッシュボードにスコアとかが出せるようにしていきたいです。
親身になって深い部分まで一緒に考えてくれる、良きパートナー
ーアクシスの支援を受けた感想を教えてください。
宮良:川村さんをはじめ、みなさんが本当にいつも親身に対応してくださって、ありがたい限りです。マーケティングのかなり深い部分まで一緒に考えてくださって、時には少し無茶なことを頼んでしまうこともありますが、きちんと対応してくださるので、とても頼もしい存在ですね。
もともと弊社にはWebマーケティングに関する知識があまりなかったのですが、先のことまで考えて手厚くサポートいただけて、良いパートナーでいてくださっていると思います。
稲垣:支援いただいて1年くらいですが、あっという間な気持ちです。最初は知見がなく、全くどうしてよいか分からないといった感じでした。しかし、戦略の部分からサービスサイトの制作まで全部やっていただいて、本当にありがとうございますという気持ちです。
あとは日頃からマーケティング以外でも仕事を他社に依頼すると、「ウチはここまでしかやりません」と言われることが多いんですよね。決してそれが悪いことではないのですが、アクシスさんは私たちの一員のように入ってくださり、しっかり導いてくださるので非常にありがたいです。
実際にサイト制作では、私たちとディスカッションをしたりとか、Web集客に強いサイトを作るための提案を出してくださったりとか、1つのチームとして支援いただいた感じがありますね。
リード獲得数が3.5倍、商談数が1.7倍に。社内でも部署が立ち上がって手応えを感じている
ー1年お取り組みをさせていただいて、何か成果はありましたか。
宮良:まずはリード獲得数が伸びましたね。2022年度で言えば、昨年比で3.5倍になりました。また商談数も1.7倍に増加しており、成約にも繋がっています。Webサイトを公開したので、今年はさらに伸びるのではないかと期待しています。
稲垣:繰り返しになりますが、私たちは営業出身というか、今も営業と兼任なので、もともとWebマーケティングはどうするのといった世界からのスタートでした。今は支援をいただき、まだ伸びる余地はあるものの、しっかりと成長して結果も出せています。
直近では、マーケティング&セールス担当というチームが立ち上がり、社内でも認知されるようになってきました。さらに最近は、ペルソナに沿ったお客様のお問い合わせも増えてきており、中小企業の方からのお問い合わせも増えてきています。そういった面でも、非常に手応えを感じています。
ー社内にも成果が認められているのですね。
稲垣:宮良さんに言えば、なんでもできるみたいな印象を持たれている気はします(笑)
あとWebサイト制作の際につくっていただいたインフォグラフィックはとても評判がよくて。社内資料やコーポレートサイトにイラストを使いたいと、よく相談をもらいますね。これまでコーポレートカラーが青だったので、オレンジになってちょっと親しみやすい感じになったと言われますよ。
今後アクシスに期待すること
ーアクシスに今後期待することはありますか。
宮良:いろいろな部分でサポートいただいて、ありがたい限りです。今後といえば、引き続きよろしくお願いします、ということですかね。今後の目標や、今後どうしたらよいかについて、ぜひ相談に乗っていただけると嬉しいです。
稲垣:サービスを今後より良くしていくと同時に、Webサイトもブラッシュアップしていく必要があると感じます。そういったタイミングが今後も頻繁に出てくると思うので、これまでと同じように支援いただけるとありがたいです。アクシスさんからのサポートのおかげで私たちも勉強になっていることもあるので、今後も伴走していただけると嬉しいですね。
取材協力:日本通信ネットワーク株式会社
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