コンバージョン数が1.2倍、商談化率も1.3倍に拡大!COTOHA Call Centerが取り組んだ 新しい事業領域への挑戦
- 業界・業種
- 法人向けクラウドCTIサービスの開発と運営
- 感じていた課題
- 新しい事業領域にチャレンジするにあたり、課題感と戦略を共有しながら伴走してくれる支援会社を求めていた
- 支援結果
- デジタルマーケティングを定量的に評価できる仕組みづくりができた。SEOやページ改善に取り組んだことでコンバージョン数、商談化率、案件化の割合が増加した。
- 提供サービス
- Web集客戦略策定、Web集客改善コンサルティング、Webサイト改修、リスティング広告運用代行
話し手:NTTコミュニケーションズ株式会社
プラットフォームサービス本部
コミュニケーション&アプリケーションサービス部
第三サービス部門
担当課長 藤田 悠基 様
渡邊 恭子 様
山本 絵美子 様
聞き手:株式会社アクシス
ビジネスディベロップメント部 宇野 一成
林田 栞理
―御社のビジネスについて教えていただけますか?
藤田:NTTコミュニケーションズ株式会社はNTTグループのひとつで、主に法人向けのサービスを提供している会社です。2022年1月、NTTドコモ、NTTコムウェアと経営統合し、新生ドコモグループの一員になりました。「あなたと世界を変えていく」というスローガンのもと、モバイルやソリューション・サービスを統合して提供することで事業拡大を図っています。
2025年には法人事業の収益を2兆円以上に拡大させる。スマートライフ事業・法人事業の収益比率を50%以上にする。こういった経営目標を掲げ、中小企業のお客様に向けた提供価値拡大をテーマに取り組んでいます。その一環としてご提供しているサービスがCOTOHA Call Centerです。
渡邊:昨今、働き方が変わりテレワークが増える中で、「オフィスの電話をどうするのか」という課題が出てきました。携帯電話を使えばよいと思うかもしれませんが、携帯電話は番号に紐づいた端末を持つ必要があり、代表電話の様に共通の番号を利用することができません。
COTOHA Call Centerは、このような課題を解決するために開発されたクラウドCTI(コンピューターと電話機やFAXなどの電話システムを統合して動かす技術)です。
名古屋や東京、オフィスや在宅、外出時でも、どこでも共通の番号で発信・着信ができ、業務をもっと効率化するための、IVR(電話自動応答)や通話録音機能などを利用できるサービスを提供しています。さらには、通話に関する様々な情報をクラウド上で共有することも可能です。
―他社のCTIサービスやクラウドと比較したときの強みは何でしょうか?
渡邊:COTOHA Call Centerの特長は、人が対応できないときにAIが対応する「AIオペレーター機能」が標準で備わっていることです。
最初から完成形を作るのではなく、まずPoC(概念実証)として提供し、お客様からのご要望を反映して、本番をリリースする形を取っています。小さな改善であれば1か月に1回、大きな機能追加も3か月に1回ほどの頻度で行い、アップデートしています。
藤田:コロナ禍でビジネスも不確実性が高くなっているので、お客様の課題やニーズをキャッチアップして提供価値を届けるためには、スピード感が不可欠だと考えています。通信キャリアとして蓄積した電話サービス提供のノウハウがあることや、ドコモとの統合によりモバイルも一体的に提供できることも、他社さんと比較したときの強みだと自負しています。
同じ課題感を持ち、戦略を共有してくれる伴走者が必要だった
ーこれまで社内・チーム内でどんな課題を抱えていたのでしょうか?
渡邊:NTTコミュニケーションズは、大企業層へのアカウント営業を主軸としていたので、サービスを売るときには担当の法人営業部・アカウント営業が先頭に立ち、お客様に提案を行います。
しかし、これから中小企業のお客様とコンタクトしていくためには、Webが欠かせないチャネルになります。チャレンジングな部分が大きい試みなので、自分たちだけでなく、プロフェッショナルの意見を伺ったり、ノウハウを教えてもらったりしながら一緒に進めたいと考えました。
藤田:弊社もNTTグループ全体も事業領域が非常に広く、サービスは多岐にわたります。お客様の課題に応じて事業領域ごとに個別に戦略を立ててマーケティングを行ってきましたが、共通のマーケティングのフレームワークは不十分だったと言わざるを得ません。
特に中小企業にアプローチしていくには、従来の自分たちのやり方だけでなく、客観的な視点も取り入れながら最適なものを選ぶことが大事だと感じていたので、社外のリソースを活用しようと考えました。
ーアクシスにご依頼いただいた経緯は何だったのでしょうか?
藤田:先ほどもお伝えしたようにビジネスの不確実性が高くなっている時代なので、機動力を重視してビジネス転換に取り組むことを重要視しています。我々とともに、それにスピーディーに伴走し、ご支援いただけるパートナーを求めていたときに紹介されたのが、アクシスさんでした。
最初にやりとりした印象は、「我々が求めているものを叶えていただけそうだな」というものでしたね。デジタルマーケティングに関する専門性やスキル・経験を有するアクシスさんなら、新しい事業領域でチャレンジするにあたり、我々と同じ課題感を持ち実行力のある戦術や施策を検討してくれそうだと感じました。
また、コストパフォーマンスの良さも決め手の一つでした。新しいことをやろうとするとき、一つひとつのアクティビティにコストがかかりすぎると踏み出すのが難しくなります。ロジックに基づいて仮説検証をスピーディーに繰り返し、一歩一歩着実に進んでいくことが大切だと考えます。
アクシスさんはきちんと現状分析を行った上で我々が求めている以上の多角的な提案をしてくれ、一緒にビジネスを大きくしていこうという思いを強く感じられました。
多角的な視点で、ロジカルに先を見据えた提案をしてくれた
ー戦略を作り、実際に取り組んでいく中でどんなことを感じましたか?
渡邊:まずデジタルマーケティングをしていく上で戦略の良し悪しを確認するための土台として、すべてを定量的に評価できる仕組みを作りました。ヒートマップなどさまざまなツールを駆使してデータを用意してもらえたので、それをもとにして効果的な取り組みができました。
認知拡大の部分だけでなく、直接アクシスさんが関わらないもっと後ろのフェーズについても「ここはこういうふうに導線を作ったほうが良いと思います」とコメントをくださったり、いろいろな角度から提案をくださったりするので、非常にありがたく感じました。
山本:大前提としてカスタマージャーニーに沿ったアプローチがありますが、アクシスさんはWeb集客に留まらない視点から多角的な意見をくださり、培ったノウハウの中から自発的に施策の提案もしてくれるので、とても信頼しています。
今進めているSEOでも、明確なロジックを持って目標を設定してくれているので、そこに向かって進んでいけば良いという安心感があり、非常に助かっています。
ーWeb集客以外の提案とは具体的にどのようなものでしょうか?
林田:Web集客をスタートした時点で広告からの流入はかなり取れていたので、正直そこは課題ではないと考えました。しかし、その先でコンバージョンを取ったり、受注に繋げたりすることができておらず、言葉を選ばずに言えば「ただ広告費を垂れ流している」状態になってしまっていたのです。
費用対効果を考えたとき、収益に繋がっていないことが一番大きい問題なので、後ろの数字を上げるための施策が必要だと考えました。具体的には、THE MODELのマーケティングからインサイドセールスへ、そして営業へとフェーズを進めていくようなアプローチですね。
そこで、サイトに手を入れて、もっと手前にコンバージョンポイントを作ることや、商談を増やすための導線設計、コンテンツ追加などを提案しました。インサイドセールスでは、実際にコンバージョンした方の何割が受注に繋がったのかなどを見るためには定点で数字を取っていく必要があるので、それを共有していただき、お客様に聞くべきことをお伝えしました。
藤田:以前にご支援いただいた広告代理店のアプローチは「集客してサイト上でコンバージョンを取るまで」に集中しがちでした。一方、アクシスさんは「サイト上でコンバージョンを取るまで」だけでなく、「受注に繋げるまで」の取り組みについて、カスタマージャーニーを軸にサポートしてくれました。サイトに来てもらうところから、最終的に受注するまでの全体的な流れを共有しながら進められたところが良かったです。
我々の知見がない部分で「これは一般的にはどうですか?」と聞くと、過去の同様の事例や目指すべき定量的な指標や平均点のようなものを即座に提示してくれるので説得力があります。
林田:きちんと答えられるよう、かなり遡って過去の事例で平均などはしっかり調べていますね。
LPにおけるファーストビューのABテスト結果
ー月次レポートやミーティングなどはわかりやすかったですか?
藤田:林田さんの月次レポートは、とてもわかりやすいです。新たな打開策の意図が良く理解できますし、苦労してやってきたことが成果を生み出したかの答え合わせも容易に行えます。月次レポートで解説いただくと理解が進みやるべきことが明確化され、今までの努力を定量的に評価できるので元気になりますね。着実に伴走していただきながら前進している実感があります。
マネジメントの判断で新たな活動に踏み出すときは、当然チームメンバーを成功に導きたいという思いも強いです。なので、客観的な視点で現状を捉えられる伴走者が我々の思いと戦略を理解してディレクションしてくれて、時には失敗しながらも着実に右肩上がりで成長を続けられることはとても安心感があります。
山本:アクシスさんとのミーティングは、何をすればよいか明確でわかりやすいです。丁寧な資料と話しぶりで、デジタルマーケティングに関して知識が足りない自分でも、現在地と目的地をしっかり把握できます。進むにしてもやめるにしても、「なんとなく」ではなく、こういう理由があるからこうするのだと腹落ちした状態で次のステップに進めるのも非常にありがたいですね。
「なぜそれが必要か」を理解し、優先すべきことに集中できた
ーWeb集客改善をしていく中で大変だったことはありましたか?
渡邊:サービス自体が目に見えるものでないので、クラウドCTIへの潜在的ニーズを抱えている人がどこまで理解しているのかを掘り下げてキーワードを選定したり、お客様のお困りごとから連想したり、いろいろなアプローチの方法を共有していただきました。最初は非常にCVR(顧客転換率)が低くて...。
藤田:最初の結果が出たときは絶望しましたね(笑)
渡邊:本当に広告費の垂れ流し状態だったんです。最初にヒートマップを見せてもらい、「ここで閲覧者がサイトから離脱していますよ」と説明してもらったときは、本当に絶望的だなと思いました…。
そこで、アクシスさんとも相談し、訪問者に十分な納得感を与えないまま申し込ませようとするのではなく、サービスの詳細が分かるページを挟むことでCVR改善を図っていくことにしました。他部署からはコンバージョンまでの手間が増えるのでよくないのではと言われましたが、アクシスさんの言葉を信じて進めたところ、結果的にCVRは上がっていきました。
困難な状況でもアクシスさんが前向きに「どうしていけばよいか」を提案してくれるので、大変だったというよりも、結果が楽しみで、ポジティブな気持ちで取り組むことができました。
藤田:困ったらアクシスさんに聞いてみようかとなりますね。
山本:林田さんは迅速にレスポンスをくださり、こちらの返信が毎回遅くて申し訳ないぐらいでした。
「こういうのってどう思いますか?」といった悩みながらの漠然とした質問に対しても的確に回答してくれ、こちらの優先順位まで把握した上で柔軟な対応をしてくれるので、本当に同じチームのメンバーのように感じています。
渡邊:基本的にチャットでのやり取りになるのですが、「これは直接話した方が早いな」という状況では電話もいただけるのでコミュニケーションがスムーズです。「今はこういう状況で、今度こういうことをやりたいと思っているのですが……」と伝えると、一般論ではなく私たちの状況に合わせた案を、次の定例ミーティングのときにまとめてきてくださるので助かっています。
林田:そう言っていただけて嬉しいです。
定例会での資料
ーSEO施策としてのコンテンツ作成はどのようなものでしょうか?
林田:広告費の予算が縮小されると聞いていたので、これから長期的な集客を考えるなら、資産になるような集客経路がいるのだろうと考え、早めにSEOに手をつけることを提案しました。
狙ったキーワードで上位表示できれば、少なくてもある程度の期間にアクセスを集めてくれるでしょう。そのため、まずはSEO施策を優先度高くやっていくべきだとお伝えしました。
藤田:限られたリソースの中でいろいろなアクティビティがあるので、実行する施策の選択と集中はとても大事です。当初はSEO対策の実行は優先度が低く前向きではありませんでした。ですがアクシスさんは我々の課題を理解してくれた上で、いま目標にすべきはPV(ページビュー)ではなく、特定のキーワードを着実に押さえる質にこだわった手法をとることであると示してくれたので、説得力があり実行に踏み出すことができました。
コンテンツ作成には時間がかかりますが、長期的な視点で考えたときの価値がしっかり理解できると、やってみようと思えますね。新しいことに踏み出す判断は難しいですが、論拠や事前の戦略理解があるとゴーサインを出しやすいです。
林田:コンバージョンに近いキーワードで確度の高いアクセスを集めることを目的にしているので、ただPVを獲得するための「クラウドPBXとは?」のような広いワードでは今のところ勝負していません。それよりも、過去のお問い合わせの実績やインサイドセールスの対応を辿ったときにキーになっていると思われる検索キーワードだけを選び抜き、それを網羅していくことを意識して記事を作っています。
チャレンジングなビジネスでも、着実に前進できている実感
ー実際にSEOに取り組んで、明るい兆しは見えている状況でしょうか?
藤田:9月期月次は8月期月次と比較して、コンバージョン数が1.2倍に、商談化率も1.3倍に拡大しています。
最初は「ただコンバージョン数が上がっても、商談数が下がるのではないか」という危惧がありました。キーワードで集めたWeb来訪者にランディングページで訴求するわけですが、キーワードに対して訴求する提供価値が連動性の観点であまり伝わらないと商談化までつながりにくくなってしまうのではないかと。
しかし、実際には、記事の内容が予想以上にブラッシュアップされ、読み手に響くものになっていたので、ランディングページへと繋がるカスタマージャーニーがうまく描けました。ドメインの強みもあり、商談化率を維持することができて、SEOの効果を感じています。
山本:実際に提案していただいたところを一緒に改善していくと、それが確実に翌月の数字に反映され、特にSEOの部分では大幅に数字が上がっていくのを実感できるので非常に手応えを感じています。
藤田:寄り添ってくれる伴走者がいるからこそ、渡邊も山本もスピーディーに、かつ意欲的に施策を実行できたのだと思います。機能ページ追加やコストシミュレーションのコンテンツ追加に取り組んでから、4月、5月ぐらいで目に見えてデジマの各指標が向上しました。
記事を見てサービスの提供価値や機能について具体的なイメージを持ったお客様が資料請求をしてくださるので、リードの質も上がっていると実感します。もちろんお客様にアプローチを行うコールセンター側の努力もありますが、案件化する割合が増えてきました。
ー社内の他部署や上司の方の反応はどのようなものでしょうか?
渡邊:まず同じ事業部内ではプロモーションの横断プロジェクトがあり、同じようにプロモーションをしている人たちが週1回ペースで集まり情報共有しています。そこで私たちが実践しているSEOの取り組みを伝え、「CVRはこれくらいを目指しています」と言うと、「その取り組みでCVRがそんなに上がるのですか?」「SEOと言っても、そもそもCVRって高くないですよね?」といった反応をもらうことがあります。
しかし、「ページビューの多さを目指すのではなく、コンバージョンに繋がるキーワードを選んでいるのでこうしています」と根拠を説明すると、「そういうやり方もあるのですね」と理解してもらえます。
ある時は、私たちがやっていない手法についてを他の部署の方から共有してもらいました。その手法を林田さんに共有したときも、「その方法は、今ではなくこういうタイミングでやろうと思っています」と回答してもらえ、納得できました。
藤田:中小企業という我々から見て新しいセグメントに対して新たな価値提供を目指すビジネスは、成長戦略上とても難しい部分です。結果が出るまでにはもう少しかかると思いますが、着実に前に進んでいる部分は評価してもらえていると感じます。
林田:良かったです。私はサービスをローンチするタイミングから入らせていただき、施策が始まって初月終了時に集計したコンバージョンを見て、先ほど「絶望」と仰っていたのと同様に、これはまずいな、絶対にどうにかしなきゃみたいな気持ちがありました。
何が何でも数字を上げたいと必死に考え、4月には機能ページができて風向きが変わってきたと皆さんに体感してもらえて、「頑張ってきて良かった」と思えました。成果に繋がって本当に嬉しく思います。
今後アクシスに期待していること
ー今後アクシスに期待していることがあれば教えてください。
渡邊:着実に上がってきてはいるものの、まだまだ取り組んでいかなくてはならないことがたくさんあると感じています。アクシスさんは「ここを少し変えてみましたが、良くなかったので前の状態に戻しましょう」といったこともきちんと言ってくださるので、そういうご指摘も含めて、最初に話した通り、これからも伴走という形で一緒にやっていただけるとありがたいです。
藤田:私も今まで通りビジネスパートナーとして歩んでいけたらと思っています。まずは現在の活動を成功に導き、さらなる事業・サービスの拡大も目指していきたいです。引き続きよろしくお願いします!
取材協力:COTOHA Call Center|NTTコミュニケーションズ株式会社
※掲載内容は、取材当時のものです。
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