Webサイトの分析ツールとして最も使われているGoogleアナリティクス。
個人でも、仕事でも、導入している方は多いはず。
ただGoogleアナリティクスは、専門用語も多く、理解していないと正しく見れません。
場合によっては、間違った結論を導き出してしまうことも。
そこで今回は、Googleアナリティクスを使う上で知っておきたい基本用語をまとめました。
これからGoogleアナリティクスを使うビギナーさんはもちろん、Googleアナリティクスは使ったことあるけど自信がない方も、この機会に知識を確認してみてくださいね。
最新版のGoogleアナリティクス4の用語は、以下の記事でご紹介しています。
Googleアナリティクスの基本用語
アカウント・プロパティ・ビュー
アカウント/プロパティ/ビューは、Googleアナリティクスのデータを管理する箱のようなものです。
アカウント > プロパティ > ビューのように階層構造になっています。
プロパティはサイトごとを管理し、ビューではそのサイトのデータを集計した結果が格納されます。
詳しくは「 まずやっておきたい!Googleアナリティクスで重要な8個の初期設定まとめ 」で紹介しています。
レポート
レポートは、Googleアナリティクスで記録されたデータを集計した結果です。
Googleアナリティクスでは、100以上のレポートがあります。
ただし毎日すべてのレポートを見る訳ではありません。
それぞれどういった視点で集計したかが異なるため、目的や分析したデータの種類に従って使い分けます。
(集計)期間
(集計)期間とは、Googleアナリティクスで収集した結果を分析する期間です。
プルダウンには、
- カスタム
- 今日
- 昨日
- 先週
- 先月
- 過去7日間
- 過去30日間
が用意されています。
カスタムを選ぶと、任意の日付から日付までを選ぶことができます。
また下にある□比較のチェックを入れると、2つの期間を比較して分析できます。
比較の期間には、
- カスタム
- 前の期間
- 前年
が用意されています。
特に「前年」は、昨年対比でどの程度変化があったかを調べる際によく使います。
期間による比較は、Googleアナリティクスで重要な分析なのでぜひマスターしてみてください。
ディメンション
ディメンションとは、データを分析する切り口のことです。
Googleアナリティクスで収集したさまざまなデータをこのディメンションで集計した結果がレポートだと言えます。
例えば、上記の例では、収集したデータを「ページ」ごとでグループ化して集計した結果が表示されます。
実は、レポートに表示されているのはプライマリ ディメンションと呼ばれています。
いわゆる2つの切り口を掛け合わせて分析するクロス集計をしたい場合は、「セカンダリ ディメンション」を選択すれば分析できます。
切り口をかけ合わせることで、より深い分析ができるので、ぜひ活用してみてください。
セグメント
セグメントとは、データの母集団を切り分けたグループです。
通常すべてのユーザーが対象のデータが分析されます。
しかし、場合によっては「データをグループ分けして比較したい」なんてこともあるかもしれません。
そこで有効なのが、セグメント機能です。
セグメント機能を使えば、
- 自然検索で来た人と広告経由で来た人の行動の違い
- 商品を購入した人と、していない人の属性の違い
- 東京と、それ以外の地域のユーザーの違い
などの分析を簡単にできます。
このセグメント機能も、深い分析をする上では必須の機能なので、ぜひマスターしたいですね。
Googleアナリティクスでよく使われる指標
ページビュー数(PV)
ページビューは、Webサイト内で読まれたページ数のことです。
例えば、あなたがカバンを欲しくてECサイトを開いたとしましょう。
トップページから、カバンの一覧ページ、そして詳細ページを見ました。
この時は、合計3ページを見たので、ページビュー数は3となります。
メモ
厳密に言えば、ページビューはGoogleアナリティクスのタグが読み込まれた回数です。
タグが設置されていないと、Googleアナリティクスに記録は残りません。
セッション
セッションとは、ユーザーがサイトを訪問し滞在した回数です。
例えば、あなたが8月6日15時にあるサイトを訪問し、ページAを見たとします。
その3分後に、同じサイトのページBを閲覧して、見るのを止めました。
その3日後の8月9日11時に、改めてサイトを訪れてページAを閲覧しました。
この場合、あなたのセッション数は2となります。
なぜなら、8月6日で訪問が1回、8月9日で訪問が1回あるからです。
もう少し厳密な定義としては、ページを閲覧して離脱するまでの一連の行動です。
Googleアナリティクスでは、ページの遷移がなければ原則ユーザーの動きはわかりません。
そこで便宜上、最後のページ閲覧から30分経った場合にセッションを終了して、滞在が終わったとみなしています。
参考:セッションが変わる条件
- 最後のページビューから30分以上、時間が空いた場合
- 日付をまたいだ場合(0時を超えた場合)
- 参照元が変わった場合(Google検索から見に来た後、すぐにTwitter経由で同じサイトを訪れた場合)
ユーザー数
ユーザー数は、サイトを訪れたユーザーの数です。
ただ注意が必要なのは、ユーザー数=実際の人間の数ではないことです。
Googleアナリティクスは、訪れたユーザーの識別にCookieと呼ばれる情報を利用しています。
このCookieは、端末ごと、ブラウザごとに変わってしまいます。
よって同じ人でも、PCからアクセスした後、スマートフォンでもアクセスした場合は、違うユーザーとしてカウントされてしまいます。
また一部のブラウザ(Safariなど)では、ITPと呼ばれる機能により、最短24時間でCookieが消えてしまうので、別ユーザーになる可能性があります。
これらの注意事項を踏まえた上で、ユーザー数は見るようにしましょう。
ページ/セッション
ページ/セッションは、1セッションあたり平均何ページを閲覧したかを示します。
計算としては、全体のページ閲覧数の合計 ÷ セッション数の合計 です。
ページ/ セッションが多いほど、1回の訪問で多くのページが見られているので、興味があるユーザーだと推測できます。
ただし例外として、サポートサイトなど問題解決を目的にしたサイトでは、このページ / セッションが多すぎると「答えが分からず迷っている」可能性もあります。
他の指標も使って、総合的に判断していく必要がありますね。
離脱率
離脱率は、そのページで閲覧を終了した割合です。
計算としては、そのページで離脱した数 ÷ そのページのページビュー数 で求まります。
Webサイトは、必ずどこかのページで閲覧を終える(=離脱)します。
よってサイト全体では直帰率は100%となります。
一方でページごとに見ると、どのページでどれくらいの人が離脱したか分かります。
例えば、お申込み完了ページや資料請求完了ページで離脱するのは問題ありません。
一方で、途中の手続き画面で離脱率が高い場合は、ページになにか問題があるかもしれません。
ページの目的や役割に応じて、離脱率を見る必要がありますね。
直帰率
直帰率とは、1ページのみを閲覧し、そのままサイトから離脱してしまった割合です。
サイトの直帰率
サイトの直帰率 = 直帰したセッション数 ÷ すべてのセッション数
ページの直帰率
ページの直帰率 = 直帰したページビュー数 ÷ 最初にそのページを開いた数(ランディングページ数)
一般的に、直帰率が高いことはあまり良くないとされています。
なぜなら、せっかくサイトに訪れたが他のページを見ずに、帰ってしまったと推察できるからです。
ただし、LPといった1ページ完結のサイトは例外なので、覚えておきましょう。
平均セッション時間
平均セッション時間とは、期間内のセッション時間の平均です。
例えば、15:30に最初のページを見て、その5分後の15:35に次のページを見て離脱したとしましょう。
その時は、2つのページの差分である5分間がセッション時間となります。
もしかしたらある方は「2ページ目も見ている時間があるから、滞在時間としては間違っているんじゃないの?」と思うかもしれません。
厳密には、最後に見たページの閲覧時間も含めるべきでしょう。
ただGoogleアナリティクスの性質上、最後のページの滞在時間は測定できません。
そこで、最初のページを閲覧し始めた時刻と、最後のページの閲覧し始めた時刻の差をセッション時間としています。
なおセッションが直帰である場合は、2ページ目がないので、セッション平均時間は0になります。
平均ページ滞在時間
平均ページ滞在時間とは、該当ページが閲覧されていた時間の平均です。
平均セッション時間と考え方は似ていて、そのページの閲覧を始めた時刻と、次のページの閲覧を始めた時刻の差となります。
平均ページ滞在時間が長いほど、じっくりと読まれているページだと考えられます。
サイトの平均や他ページの滞在時間と比較してみることで、気づきが生まれるかもしれません。
なおページが直帰の場合は、次のページがないので滞在時間は0秒となります。
コンバージョン
コンバージョンとは、Webサイトの目標を達成したことを指します。
サイトの目的に応じてコンバージョンは設定されます。
よくあるコンバージョンは、こういったものです。
- 商品購入
- お問合せ完了
- 資料請求完了
- 電話番号をタップ
コンバージョンを計測するには、あらかじめ「目標設定」が必要です。
まだ済んでいない方は、「Googleアナリティクスを導入したら必須!「目標」設定をする方法」を参考に、目標設定をしてみてください。
まとめ
この記事では、Googleアナリティクスで頻出の基本用語について紹介しました。
Googleアナリティクスは、Webサイトを改善する上では欠かせないツールです。
しかし、専門用語を理解していないと、なかなか改善に至る気づきは得られません。
ぜひこの機会に専門用語を覚えて、Googleアナリティクスを使った分析の第一歩を踏み出してみてください。
参考文献:小川卓・工藤麻里著『いちばんやさしいGoogleアナリティクス入門教室』,ソーテック, 2019