ホームページを作成する上で考えたい3つの目的

突然ですが、企業のWeb担当者さんに質問です。
あなたの会社は、ホームページをどのような期待を込めて作成しましたか?

すでにホームページをお持ちの方は、作成当初の目的を思い出してみてください。これからホームページを作る予定の方は、どのような目的で作成しようと思ったか振り返ってみてください。


もし、「自社のホームページを作成した理由を忘れてしまった」や「なんとなく必要だから」という理由で作成した場合、ホームページが持つ潜在的なメリットを十分に活用できていない可能性があります。

そして、明確な目的を持たずにホームページを作成すると、高額な費用をかけても効果が半減してしまうことが多いのです。

もし新しくホームページを作成する予定、またはリニューアルを考えているなら、この記事を参考に、作成する目的を明確にしてみてください。

ホームページを作る際、なぜ目的が重要なのか?

ホームページ作成の際、最も重要なのは「目的設計」です。

この目的設計とは、ホームページを通じて達成したい具体的なゴールを定めることです。
ホームページの目的が明確でないと、誰をターゲットにするのか、そのターゲットが何を求めているのかの理解が曖昧になります。

例えば、商品を直接販売したい、サービスについての問い合わせを増やしたい、会社のブランド価値を高めたいといった具体的な目的が設定されている場合、それに合ったコンテンツを計画的に作成することができます。

このプロセスにおいて、ターゲットとなるユーザー像(ペルソナ)を詳細に定義することが重要です。ペルソナとは、理想的な顧客のプロファイルを作成することで、その人物の年齢、性別、職業、趣味、購買行動などの情報が含まれます。

ユーザー像が曖昧だと、そのユーザーが抱える問題やニーズが不明確になり、どのようなコンテンツを提供すべきか決定することができません。適切なコンテンツが提供できなければ、ユーザーにとって魅力的なホームページとはならず、期待する反応を得ることが難しくなります。

これでは投資した時間とコストの割に、ホームページの効果は限定的で、最終的には反響の少ない結果に終わることになります。

したがって、ホームページを作成またはリニューアルする際には、以下の点を事前に明確にしておくことが非常に重要です。

  1. ホームページを作成する具体的な目的 - どのような結果を得たいか?
  2. 期待する効果や結果 - サイトを通じて何を達成したいか?
  3. 目標とする訪問者の特徴とニーズ - 誰にどのような価値を提供するか?
これらの要素を明確にすることで、訪問者がホームページから得られる価値が最大化され、より効果的なホームページを作ることができます。

ホームページの3つの役割

目的設計を行う前に、ホームページを持つことで得られる具体的な効果と力を理解しておくことが大切です。

その中でもホームページには主に以下の3つの役割があります。

認知力

認知力は、より多くの人々にあなたの会社や商品・サービスを知ってもらうことです。

広報活動と同じように、会社のブランド価値を高めることが目的で、ブランドが認知されることで、ビジネスの信頼性が増し、取引先や従業員からの信頼が得やすくなります。これにより、ビジネスがよりスムーズに進行することにも繋がります。

販売力

販売力は、会社の商品やサービスの売上を増やすことに直結します。

営業活動に似た役割を果たし、ホームページを通じて新規顧客を獲得する手段となります。良質なコンテンツと効果的なオンライン戦略により、売上の向上を目指します。

採用力

質の高い人材を獲得し、会社に雇用しやすくする力です。

人事部門の役割に相当し、求人エージェントに頼ることなく、自社のホームページを通じて直接求職者を引き付けることができるため、効率的かつ経済的に優れた人材を確保できるようになります。

【目的別】サイトにつくるべきコンテンツ

サイトの目的によって、メッセージを伝えたい読者像は変わります。

そして、対象となる読者像にあわせて、書くべきコンテンツ(記事)も変わります。

だからこそ目的をはっきりさせると、ユーザーにメッセージが伝わり、結果が出るページになっていきます。

では、それぞれの目的に合うコンテンツ(記事)とはどのようなコンテンツでしょうか。

それぞれの目的で作るべきコンテンツを紹介します。

認知力をアップさせるためのコンテンツ

認知力をアップさせるためには、ホームページに以下のようなコンテンツを掲載してみましょう。

認知力をアップさせるコンテンツ

  • 自社サービスを一言で表現するキャッチコピー
  • 自社サービスにかける熱い想い
  • 自社サービスを表現する写真とデザイン
  • 会社の経営理念
  • 電話番号などの主な連絡手段
  • 社長を含む社員の紹介ページ
  • 会社のイベントなどのニュース
  • 地域メディアなどへの掲載履歴

地元密着の企業であれば、「地域清掃の様子」や「社員への社長の思い」などを載せるのもよいですね!

販売力をアップさせるためのコンテンツ

販売力をアップさせるには、以下のようなコンテンツを掲載してみましょう。

販売力をアップさせるコンテンツ

  • 返品や発送などの項目
  • 自社の商品と他社の商品との違い
  • 商品の選び方ページ
  • 購入者の声やレビュー
  • 受注体制に関する説明
  • 使いやすいカートシステム

販売力を強めるなら、コンテンツの対象は商品を使うお客様になりますね。

よって、お客様に向けたメッセージとして、自社製品に対する想い、開発秘話、お客様事例などを書くとよいですね。

採用力をアップさせるためのコンテンツ

採用力をアップさせるには、以下のようなコンテンツを掲載してみましょう。

採用力をアップさせるコンテンツ

  • 従業員募集要項
  • 先輩社員からのメッセージ
  • ユニークな福利厚生
  • 会社のイベント風景
  • 社員の働いている姿
  • 採用検討者に期待すること


採用力強化をする場合、対象は入社を検討している学生などになるでしょう。

よって、学生に向けてのメッセージ、入社後のキャリアパス、新人に任せたい仕事内容などをブログ記事にするのがいいですね。

他にも、先輩社員の働きぶりを書くのもアリだと思います。

 

これら項目を、新卒・中途それぞれの応募見込み者の顔をイメージしながら作り込んでいけば、きっと採用しやすくなっていくはずです。

3つの役割は、お互いが関連している

これまで「採用力」「販売力」「認知力」について紹介しました。
ただ、これらの力はそれぞれが単独で存在するのではなく、相互に影響しています

例えばブランディング向上のために、認知力を高めることを意識して、ホームページのコンテンツを拡充するとします。

すると、結果としてブランディング効果だけでなく、売上高もアップすることがあります。

また、採用に有利になることも、もちろんあります。

 

同様に、販売力や採用力を高めたホームページを作ると、業界内で認知度が向上したり、従業員の家族が会社に対して安心感を持ったりします。結果として、ブランディング的な効果も期待できるのです。

とはいえ、最初からすべてを狙うのは得策ではありません。

まずは、どの力を獲得するのか決めましょう。

その上で、目的に合わせて、ホームページのデザインやテイスト、コンテンツの構成、文章などをつくっていきましょう。

期待する効果は数値目標として共有する

どの力を強化したいか決まれば、目標を数値にして関係者全員で共有してください。

例えば、こういった目標を立てるといいですね。

  • 認知力→市内で一番有名な工務店になる
  • 販売力→売り上げを20%アップする
  • 採用力→ホームページから求人の応募を毎月1人獲得する

このように数値目標をつくることで、同じ目的に向かって進むことができるようになります。

まとめ

この記事では、ホームページ作成における目的設計について紹介しました。目的が決まれば、誰に向けて情報発信していくべきか明確になります。

そして、ホームページの目的と来てほしいユーザー像が決まれば、サイトに一貫性が生まれていきます。

ホームページは作って終わりではなく、作ってからがスタートです。

ホームページを従業員の一人のように考え、期待する役割を明確化し、腰を据えて育てていけば、非常に有能なスタッフとして育ってくれるのは間違いありません。

この機会に、ご自身のホームページを見つめ直してみて、「何を目的とするか」をぜひ考えてみてくださいね。