スマートディスプレイキャンペーンとは?
2017年4月にGoogle広告(旧GoogleAdwords)でローンチされたディスプレイ広告の形式です。
従来のディスプレイ広告と違う点は、
- ターゲティング
- クリエイティブ
- 入札単価
以上の3の要素がGoogleの機械学習によって、すべて自動化されているという点です。
つまり、普段ディスプレイ広告のキャンペーン設定および運用する際に必要な工数を削減することが出来ます。
スマートディスプレイキャンペーンは非常に便利な機能ですが、開始するためには以下の条件のいずれかを満たしている必要があります。
スマートディスプレイキャンペーンを開始するための条件
- 過去30日間でディスプレイ広告でのコンバージョン50件以上
- 過去30日間で検索広告でのコンバージョン100件以上
また、Googleの機械学習による最適化を図るための推奨条件もあります。
- スマートディスプレイキャンペーンによるコンバージョン50件
- 配信開始から2週間
上記のいずれかを達成することで最適化が働き始めます。
そのため、コンバージョン数が1日数件程度と少ない案件では最適化が働きにくいということになります。
コンバージョンに対するお支払い
そして、最大の特徴は2018年から可能になった「コンバージョンに対するお支払い」です。
Google広告ではクリック課金とインプレッション課金の2種類の課金形態でしたが、スマートディスプレイキャンペーンではコンバージョン課金が可能になりました。
コンバージョンが発生した際に費用が発生するので、設定を正しく行えば、基本的には費用対効果が合わないということはありません。
得られる情報と活用の仕方
コンバージョンの取れるプレースメントの発見
従来のディスプレイ広告ではアプリへの配信は、誤タップが多く費用対効果が合わず除外設定をし、費用対効果を合わせる運用者が多かったと思います。
しかし、コンバージョン課金での設定の場合は誤タップを恐れる必要がないため、費用対効果の合うアプリが発見できる可能性があります。
また、アプリだけではなくWebサイトについても同様です。意外なプレースメントからコンバージョンがつく可能性もあります。
ターゲティングはGoogleが行うため不明ですが、複数のコンバージョンが確認出来たら、普段運用している別のターゲティングにも活かしていけると思います。
ユーザー属性
商材によって性別や年齢などターゲット層はある程度固まっていると思います。
しかし、想定していたターゲット以外にコンバージョンが取れる意外なターゲット層が見つかるかもしれません。
そこから得られた情報を元に、検索広告の広告文などに応用していくことも可能です。
運用時の注意点
スマートディスプレイキャンペーンは、ほぼGoogleの自動化まかせの広告になるので、運用開始後に調整をすることがほとんどありません。
しかし、注意すべき点はあります。
クリエイティブの良し悪しの理由が分からない
スマートディスプレイキャンペーンは、クリエイティブごとのデータを見ることが出来ません。
クリエイティブの評価で重要になるクリック率やコンバージョン率を確認することができず、Googleが判断した「最良」「良」「悪」と言う曖昧な評価しか表示されません。
クリエイティブの評価に利用することは難しいとあらかじめ頭に入れておきましょう。
インプレッションが荒れやすい
最適化されるまでは1日で極端にインプレッションが多かったり、少なかったりすることがあります。
その場合、全体としての数字に影響を与えます。
全体の数字に影響を与えたことでクライアントに疑問を持たれてしまうこともあるので、事前に特徴をしっかり把握し、運用していく必要があります。
また、管理画面上で、施策を直感的に判断することが出来る折れ線グラフを参考にしづらくなってしまうこともあります。
こちらはある月のディスプレイ広告全体のインプレッションを現した折れ線グラフです。
特に調整は行っておりませんが、月末にスマートディスプレイキャンペーンの露出が一気に増えたことで、折れ線グラフによる数字の変化の判断がほとんど意味をなさなくなってしまいました。
目標CPA単価とキャンペーン予算の設定
商材に対して適切な目標CPA単価とキャンペーン予算を設定しないと、広告が全く表示されないことがあります。
極端な例ですと目標CPA単価を1円に設定した場合は広告がほとんど表示されません。
なので、該当する商材で普段運用しているキャンペーンで設定しているCPAを参考に目標CPA設定するのが良いと思います。
また、キャンペーン予算に関しても多めに確保しないと、広告の表示機会が減る可能性が高いです。
1日にどれだけ費用がかかっても設定したCPAで獲得できるため、最適化が働くまではある程度割り切って、多めにキャンペーン予算を設定しておきましょう。
まとめ
コンバージョンに対するお支払いが可能になったことで、配信のリスクも少なく、配信条件を満たしているアカウントに関しては配信しない理由がありません。
ただし、便利な機能ではありますが結果から得られる情報が少ないです。
逆に得られる情報からの活用としてプレースメントやユーザー属性などを見て新たな発見につながることはあります。
運用するというよりは、新たなデータを集めると言った気持ちで配信をしてみましょう。
アカウントによっては、「コンバージョンによるお支払い」が選択できないこともありますので、そちらは管理しているアカウントをご確認ください。