「Webサイトで売上を出すためにどうしていいかわからない…」
このようなお悩みを抱えている企業のWeb担当者様は多いのではないでしょうか。
実際、売上を増やしたいからWEBサイトを改善しようと思っても、どこから手をつけてよいか分からないことが多いはず。
Webサイトで売上を伸ばすためには、売上を複数の要素に分解し、それぞれの要素ごとに改善施策を考えることが最初のステップです。
要素ごとに分解することで、売上アップのための具体的な施策が明確になり、アイデアが出しやすくなります。
また改善余地がある要素のみに施策をすれば良いので、施策に費やす費用も最小限に抑えることができます。
そこで、本記事では、Webサイトで売上を伸ばすために必要な超基本的な考え方を、Webの知識がない方にも分かりやすくご紹介していきます。
ぜひあなたもこの記事を参考にして、実際に売上を分解し、施策を考えてみてください!
Webサイトの売上を上げるための基本公式
突然ですが、下記の図、オレンジ色部分の長方形の面積を求めてください。
おそらくあなたは、まず長方形の縦と横の長さを測ったはずです。
なぜなら、長方形の面積は、縦の長さ × 横の長さ で求められるからです。
数学や物理には、公式があります。
公式を使えば、問題を要素に分け、それぞれの要素の値を入れることで、答えを導き出せます。
実は、売上を算出するにもまったく同じことが言えます。
売上の公式って?
ご存知かもしれませんが、もっともシンプルな売上の公式は下記の要素で構成されます。
- 売上 = 成約数 × 顧客単価
成約数
目標が達成された顧客の数
(例)
- オフライン:店舗への来客数(飲食店)、服の購入者数(アパレル)など
- オンライン:受注数、購入者数(ECサイト)など
顧客単価
1回の購買によって顧客1人あたりが支払う平均の総額
この売上の公式は、オフライン、オンラインどちらにも共通しています。
しかし、オンライン(Web)における売上は、もっと細かく要素に分解できます。
Web上での売上の公式とは?
Web上での売上の公式は、上記の要素で構成されます。
①インプレッション
(=Imp:Impression)
オンライン上で企業のコンテンツや広告が表示された回数
②クリック率
(=CTR:Click Through Rate)
コンテンツや広告が表示された回数に対して、ユーザーがクリックした割合
③訪問数
サイトへのアクセス数のこと。インプレッションとクリック率の掛け算で求まります。
④成約率
(=CVR:Conversion Rate)
Webサイトを訪れたユーザーが、目標を達成した割合。
ここで言う「目標」とは、商品の購入などのことを指します。
ちなみに、業界では目標達成のことを「コンバージョン」と呼ぶので覚えておきましょう!
⑤ライフタイムバリュー
(=LTV:Life Time Value)
日本語に訳すと、顧客生涯価値と言います。サービスや取引を始めてから終えるまでの間に、ユーザー1人が企業に支払う金額の合計のことです。
ライフタイムバリューは、顧客単価 × リピート回数 の式で表せます。
Web上での売上は「インプレッション数」「クリック率」「成約率」「ライフライムバリュー」の4つの要素で構成された公式で表せましたね。
では、それぞれの要素が変わったら、どう売り上げが変化するか、下記の例で考えてみましょう。
現状の各要素の数値、そこから算出できる売上は次の通りです。
成約率が業界平均よりも低く、改善の余地があるのでは?と仮定します。
成約率アップのための施策を行い、成約率を2倍にすると次のように変わります。
売上の形成は、その構成要素が掛け算の関係にあることを理解することが大切です。
例えば、成約率が2倍に上昇すれば、成約数も2倍増加し、結果的に売上も2倍になります。
しかし、この要素のうち、1つでも0になれば、最終的な売上も0となってしまいます。
施策を計画する前の段階で、現状の売上をその4つの要素に分解してみることが有効です。
そうすることで、どの要素が弱点で、どこに改善の余地があるのかが明確になります。
施策の実施前に留意すべき点として、どの要素をターゲットにした施策なのかを明確にしておくことが挙げられます。
例として、筋トレを考えてみましょう。
もし腹筋を鍛えたいのであれば、腕立て伏せやダンベルだけを続けても、目的の部位は鍛えられません。
腹筋を強化するためには、クランチや腹筋ローラーなどの専用のエクササイズを取り入れる必要があります。
このような原則は、Webの世界にも当てはまります。
多くの方が「広告の導入」「HPのリニューアル」などの提案を受け取っていますが、それが真に効果的な選択なのかを検討することが重要です。
提案を受ける際や施策を計画する際には、売上の4要素の中で、どの要素をターゲットとするのかを明確にして、その施策が真に効果的であるかを判断することが大切です。
各要素を改善していくための施策
先ほどまで、売上を構成する4要素を見てきました。
インプレッション、クリック率、成約率、ライフタイムバリューの4つですね。
この4要素を改善する施策を、下記の表にまとめてみました。
分かりやすさ重視ということで、かなり単純化している点は、ご了承いただければと思います。
Webにおける代表的な施策を12個、ご紹介しました。
12の施策についてこの記事では詳しくは述べませんが、各要素を改善するポイントをまとめます。
インプレッション
「インプレッション」とは、人々があなたのサイトや商品をどれだけ見たか、という数字のことです。これを増やすためには、もっとたくさんの人に見てもらうことが大切です。
例として、あなたが運営するサイトが、Googleの検索で後ろの方に出てくると、なかなか人々に見てもらえませんよね。
また、サイトに情報が少なかったり、TwitterやInstagramなどのSNSを使っていなかったら、人々があなたの商品やサービスを知る機会も減ります。
すぐにたくさんの人に見てもらいたいなら、「広告」がいい方法です。
お金はかかりますが、すぐに効果が出るので、時間や労力を節約できます。
クリック率
「クリック率」とは、広告やリンクを見た人の中で、実際にそれをクリックした人の割合のことを指します。この数字を上げるためには、見る人の心をつかむ内容を作ることが大切です。
例えば、広告の文言や画像、動画は、見る人が「これは何?」と思うものになっていますか?
同じ商品やサービスを伝える方法はたくさんあります。どの方法が一番効果的か、試してみることが大切です。
最近では、多くの会社がインターネットの広告を使っています。もしかしたら、あなたの競合も使っているかもしれません。だからこそ、あなたの商品やサービスの特長や、他の会社との違いを、分かりやすく伝えることが大切です。
成約率
成約率を改善するには、「サービスへの信頼と安心感」と「サイトの使いやすさ」の2つが大事です。
サービスへの信頼と安心感
ユーザーは商品やサービスを選ぶ前に、しっかりと情報を調査します。
「この会社って大丈夫?」や「他の製品とどう違うの?」、さらには「実際に利用した人たちの感想は?」といった疑問を持つのは自然なことです。
サイトに来ている時点で、ユーザーはすでにあなたの商品やサービスに興味を持っている可能性が高いです。だから、情報をきちんと提供し、ユーザーが安心して購入に進めるようサポートすることが大切です。
競合他社のサイトとあなたのサイトを見比べて、どちらが情報提供に優れているか確認するのも一つの方法。
その結果を元に、さらにユーザーフレンドリーなサイトを目指しましょう。
サイトの使いやすさ
ユーザーがサイトを利用する際、どれだけストレスなく操作できるかが大切です。
購入までの流れはスムーズか。文字は読みやすいサイズと色か。難解な英語表現は使っていないか。こういったポイントをチェックすると良いでしょう。
日々同じサイトを見ていると、気づきにくい点もあります。そんな時は、友人や家族にサイトを見てもらうと良いですね。彼らの意見から、改善すべき点が見えてくることでしょう。
そして、現代はスマホの時代。多くの人がスマホで情報をチェックしています。だから、サイトがスマホで見やすいかも大切なチェックポイント。最近では、スマホのアクセス数がPCを上回ることが多いです。
スマホの画面での見え方や操作性を確認し、ユーザーが快適にサイトを利用できるよう工夫しましょう。
ライフタイムバリュー
ライフタイムバリューとは、顧客一人当たりの生涯での売上のことを指します。
この値を上げるためには、「平均顧客単価」、「平均購入回数」、「平均継続期間」の3つの要素を重点的に改善することが大切です。
平均顧客単価
1つの商品を買ってもらうのも良いですが、複数の商品を同時に買ってもらえると売上はグッと上がります。
関連商品の紹介や、特定の金額以上の購入で特典をつけるなどの方法で、1回の購入時の金額を増やしていく工夫が求められます。
平均購入回数
顧客が何度も購入してくれることは、売上アップの大きな要因となります。
初めての購入者に対して、再度の購入を促すための施策を考えることが大切です。
例えば、SNSのフォローを促すことで、新商品の情報やセールの告知をリアルタイムで届けることができます。
平均継続期間
顧客が長くサービスや商品を利用してくれることは、安定した売上を保つために欠かせない要素です。
長く利用してもらうためには、リピーター向けの特別なキャンペーンや、長期利用者向けのサービスの提供など、顧客が継続して利用したくなるような工夫が必要です。
以下は、ユーザーに平均継続期間を延長してもらうためのキャンペーンの例です。
- AのサイトとBのサイトは値段が一緒だが、Bサイトで買うとポイントが付く
- Cのサイトで買い続けると会員ランクが上がり、プレゼントがもらえる
継続してユーザーがサービスや商品を使いたくなる施策を行っていきましょう。
まとめ
Webサイトを使って売上をアップしたいと考える企業の方々や、Webに詳しくない方々へ、今回は売上向上の基本的なアプローチをお伝えしました。
売上を増やすための鍵は、売上全体をいくつかの部分に分け、それぞれの部分を個別に改善していくことです。
一番大切なのは、まずは自社のWebサイトの現状をしっかりと把握すること。どのように売上が形成されているのか、それを明確に理解することで、具体的な改善策を考える手助けになります。
まずは現状の売上がどのように構成されているのか、一度分析してみてください。