デジタルマーケティングに関わっていると、数字を見る機会は多いですよね。
Googleアナリティクス、広告運用などの分析で、毎日数字を見ている人も多いはず。
しかし、何となく数字を見ているだけではデータは活用できません。
大切なのは、データを見ることで問題点を見つけて改善に繋げることです。
そこで重要となるのが「トレンド」と「セグメント」の2つの視点です。
この2つの視点をもって分析することで、以下の2つのメリットがあります。
- 改善箇所をより簡単に発見できる
- 改善後の評価を実施しやすくなる
この記事では、データを分析するための「トレンド」「セグメント」の見方について紹介していきます。
ぜひこの記事を読んで、あなたもデータを見る目を養ってくださいね。
分析手法①トレンドで見る
トレンドとは?
まずこちらの点のデータをご覧ください。
こちらのデータから何か分かることはありますか?
2020年5月23日(土曜日):訪問ユーザー数136人
ある特定の日付のデータを把握することはできても、この数字の意味を評価することはできませんよね。
つまり点のデータだけでは、仮説を立てることも施策を考えることも難しいのです。
ではこちらのデータはどうでしょうか?
前後の数字を含めて“線”としてデータを並べると、136人という数字を解釈できるようになりました。
この場合だと、
- 過去と比べると136人という数字は良い数字である
- 直近の一週間では136人という数字は頭打ちで、新たな施策が必要である
という仮説が考えられそうですね。
点のデータを並べて線にすることで、36という数字に意味を見出せました。
これが一つ目の分析方法の「トレンド」です。
トレンドとして大きな方向性を見ることで、いま行っている施策が成果に繋がっているかを確認します。
集計期間を変えてWebサイトのデータを分析する
Webサイトのデータを分析する際、集計期間を変えることで、様々な視点からトレンドを把握することができます。
1日単位の分析
まずはこちらのグラフ、集計期間は日単位になります。
1日ごとのデータを線としてまとめたグラフだと、細かな動きが確認できますね。
例えば、メディアに取りあげられた、SNSで拡散された、などの瞬間的な強い動きを把握できます。
一方で、大きなトレンドを見るには少し細かすぎます。
このグラフを見ていても、全体像を掴むことは難しいですよね。
月単位で分析する
こちらのグラフは、月単位のグラフになります。
ぱっと見ただけで、大きなトレンドを把握できますね。
このグラフだと、1月から3月にかけてページビュー数は増え、4月に入ってからは減少傾向である状況が一目瞭然です。
このような傾向は、引っ越し業者さんや税理士さんといった年度末に忙しくなる業界に見られる傾向です。
このように月単位のグラフでは、季節変動や市場環境の変化などの目安にも活用できます。
またサイトリニューアル、ブログ開設といった大きな施策の効果を確認するときにも使い勝手がよいです。
日単位のように瞬間的な変化は見えなくなりますが、大きな方向性を掴める大切な視点だと言えますね。
週単位で分析する
こちらのグラフは、集計期間を週単位にしたものです。
先ほどの月単位のグラフで見ると、3月のページビュー数が最も多かったですよね。
同じ期間を週単位で見てみると、3月の中でも前半と後半に多くのページビューが発生して、中間ではガクッと落ちていることが分かります。
そこで、月の中旬にどのような施策をしたか、しなかったのかを確かめてみると、再現性の高い施策が見つかるかもしれませんね。
目的に合わせて集計期間を選ぼう
このように集計期間(データの粒度)に正解はありません。
メールマガジン配信やソーシャルメディアへの出稿など、イベント的な施策があれば日単位で分析した方がよいでしょう。
一方で、サイトリニューアルなどの大規模な改善であれば、月単位で変化を見るほうが傾向を掴みやすいでしょう。
分析したい目的、計測したい効果に合わせて、集計期間を調整してみてください。
分析手法②セグメントについて
セグメントとは?
2つ目の視点は「セグメント」です。
セグメントとは、ひとつのモノを分割した一部分を指し、あるデータを2つ以上の属性で分ける手法を指します。
例えば、こちらのデータを見てください。
特にセグメントを分けることなく、各サイトのページビュー数だけを並べました。
このデータから分かることは何でしょうか?
「サイトCのページビュー数は多いから、他のサイトよりも集客が上手である」ぐらいの内容しか分かりません。
ではここに、もう一つの軸を追加してみましょう。
各サイトのページビュー数のうち、どのくらいユニークユーザー(ページを見た端末数)で構成されているかをセグメントを追加しました。
すると、たった一つの軸を追加するだけで、さまざまな仮説が見えてきますね。
サイトBは、250人と少ないユーザーで1000ページビューも達成していますね。
1人あたりの閲覧量が多いのでサイト内の回遊性やコンテンツが優れていると判断できそうです。
ただし、ユニークユーザー数は少ないため、集客強化したほうが良さそうですね。
一方でサイトCは、1人あたりの閲覧数自体は少ないですが、多くのユーザーを集客できています。
他のサイトと比較して、集客力があるサイトと言えそうです。
ただユーザーはあまり回遊していないので、サイト内の導線などに課題があるとも想像できます。
セグメントを使ってデータを分けると、データが分かってくる
ページビューという1つの切り口だった情報に、ユニークユーザー数をセグメントとして追加すると、多くのことが見えてきましたね。
『分かることは、分けることだ。』という言葉の通り、データを分ける方法こそが「セグメント」という考え方です。
よく使うセグメントとして、「デバイスカテゴリ」「ユーザータイプ」といった切り口があります。
性別によって影響を受けるサイトであれば、男性、女性で分けてもよいでしょう。
首都圏と地方、土日と平日、などさまざまなセグメント分けがあるため、適切なセグメントを選ぶことが重要です。
デバイスカテゴリでセグメントを分けた場合
サイトへのアクセスを、PCとスマートフォンで分けてみた結果です。
モバイル端末からの訪問者は、デスクトップの2.5倍ですね。
サイト改善時は、スマートフォンからの利便性を重要視するなど、優先順位付けに使えそうです。
ユーザータイプでセグメントを分けた場合
サイトへのアクセスを、新規と再訪問に分けた場合です。
一般的に再訪問するユーザーが多いと、サイトとしてよい傾向だと言えます。
どのようなコンテンツを見た人が再訪問しているかを分析すると、よりリピートしてくれるサイトを作っていけるでしょう。
まとめ
今回は、トレンドとセグメントの2つの視点でデータを見る方法を紹介しました。
データ分析で大事なのは、何のために分析するのかを明確にすることです。
知りたいことに合わせて最適な分析手法を使うことで、課題の発見と施策の立案ができるのです。
もし社内で詳細な分析ができないなら、アクセス解析や広告運用のプロフェッショナルに相談してみるのもいいですね。
ぜひデータを活用して、ビジネスの改善に役立ててみてくださいね。
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