「ウェブサイトの反響率(CVR)を改善したい」
「さらにサイトへの集客数を増やしたい」
この記事を読んでいる方にも、このような課題を感じておられる方がいるかもしれません。
しかし、具体的にどのように取り組むべきか分からないという方も多いですよね。
そんな時は、まず「ユーザーの声を聞いてみる」ことをお勧めします。
施策がうまく機能していない場合、それはユーザーの課題を正確に把握できていないことが原因かもしれません。
事業者目線だけで作られた施策は、時に訴求のズレを生むことがあるのです。
この記事では、Webサイトの改善点を探す際に、ユーザーの悩みをどのように深掘りするかについて、その手法をご紹介します。
ビジネスの成果に繋げるための参考にしてみてください。
ユーザーの声を深堀りするための6つの手法
1.ユーザーアンケートを通じた顧客理解
1つ目の手法は、顧客となる人(エンドユーザー)に直接話を聞くことです。
この手法では、実際にサービスを使っている人々の意見を集めることができ、それがWebサイトの改善に役立ちます。
特に重要なのは、「他の類似サービスと比べて、なぜ自社のサービスを選んだのか」と尋ねることです。
この質問の答えは、顧客が自社のサービスを特別だと感じる理由を明らかにします。
実際に顧客がどんな問題やニーズを持っているのかを知ることで、より効果的なWebサイトへと改善することができます。ユーザーアンケートは、顧客の本音を聞くための良い方法です。
ECサイトの具体的な改善例を以下に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
2.営業担当者へのヒアリング(BtoBにオススメ)
2つ目に、BtoB企業で特に有効なのが、営業担当者へのヒアリングです。
BtoB企業の営業担当者は多くの重要情報を持っていることが多いです。
エンドユーザーがどのような課題を抱えているか、また既存顧客がどのような経緯で顧客になったかをヒアリングしてみましょう。
以前、弊社では地方の大手税理士事務所の案件を担当しました。
その時、「[地域名]+税理士」というキーワードを用いた集客を試みましたが、顧客獲得単価が高く、大きな困難に直面しました。
地方では、既存の税理士事務所を変更する企業は契約が長続きしない傾向にあるようです。
したがって、新規で法人化する企業や、会社設立の段階からサポートする方が、より長期的な関係を築きやすいということに気付きました。
そこで、営業担当者に「どのようなお客様が優良顧客となりやすいですか?」と質問しました。彼らは、いきなりの顧問契約ではなく、会社設立からサポートしたクライアントの方が長期にわたる関係を築きやすいと答えました。
そこで集客戦略を変更することにしました。
従来は「税理士」というキーワードを中心に見込み客を集めていましたが、「会社設立」や「法人成り」といったキーワードを使用して集客するようにしました。
その結果、より長期的な関係を築ける顧客を獲得できるようになりました。
この集客戦略の変更は、営業担当者から自社にとっての優良顧客の傾向を聞いたことがきっかけでした。
3.キーワードプランナーを活用したユーザーの課題把握
3つ目に、キーワードプランナーを活用する方法です。
キーワードプランナーは、Googleが広告出稿者向けに提供するツールで、ユーザーが実際に検索しているキーワードやその検索ボリュームを把握するのに役立ちます。
たとえば、「ホームページ制作」という検索語に対して関連する検索語を示してくれます。
このデータからは、「ホームページを無料で作りたい」というようなユーザーのニーズを読み取ることができます。
これを踏まえると、予算が限られているユーザー向けに無料で利用できるツールを紹介し、関係を築く方法が考えられます。
また、無料ツールの限界を理解させ、最終的には自社サービスを利用してもらう戦略も有効です。
ユーザーがどのようなキーワードで検索を行っているかを把握し、その背後にある検索意図を想像することで、有効な改善策を見つけ出しましょう。
4.ソーシャルリスニング
4つ目に、ソーシャルリスニングです。
ソーシャルリスニングとは、Twitterなどのソーシャルメディアプラットフォームを通じて、ユーザーの声を収集し分析することです。
たとえば、Twitterの検索窓に自社名やサービス名を入力して、どのような投稿がされているか確認してみましょう。
ポジティブな投稿が見つかれば、公式アカウントから「いいね」をするか、リツイートすることでユーザーとの交流を図りましょう。
これは、自社のファンを増やし、口コミによる宣伝効果を高める良い機会です。
一方、ネガティブな投稿には、ソーシャルリスニングを通じて迅速に対応することで、顧客満足度の改善に繋がります。
ソーシャルメディア上のユーザーの声は、非常に重要な情報源です。頻繁に上がる質問をウェブサイトに掲載することで、ユーザーの問題点を解決する手助けができます。
5.Q&Aサイトを活用した情報収集
5つ目に、Yahoo!知恵袋や教えて!gooなどのQ&Aサイトを活用する方法があります。
商品名やサービス名を検索し、どのような質問や回答が寄せられているかを確認してみましょう。
例として、過去に弊社で運営していた海外ブランド品のECサイトに関する経験を紹介します。
当該ブランド名でQ&Aサイトを検索したところ、「本物と偽物の見分け方」に関する質問が多数見られました。
これらの質問からは、顧客が偽物購入のリスクに対して懸念を抱えていることが明らかになりました。そこで、これらの質問を自社ECサイトのFAQセクションに掲載し、顧客の不安を解消することに役立てました。
このようなアプローチは他の業種でも有効です。
たとえば、ハウスメーカーであれば「新築一戸建て」の質問、歯医者さんであれば「歯医者の選び方」に関する質問などを参考にすることができます。
顧客が抱える事前の悩みを把握し、それを自社のコンテンツに反映させ、問い合わせの増加につなげることが可能です。
6.他企業の商品やサービスを使ってみる
最後は、ユーザーに声を聞くのではなく、自分がユーザーになってみることです。
ユーザーの声を聞くだけでなく、実際に自分自身がユーザーの立場になってみることをお勧めします。
たとえば、ハウスメーカーの方であれば、実際に他のハウスメーカーの内覧予約のプロセスを経て住宅展示場を訪れてみましょう。
また、体験型のサービスを運営する方であれば、実際に同業の企業のサービスを受けに行ってみるのも良いでしょう。
このように、実際にサービスを利用することで、体験時に感じた疑問点や良かった点を、マーケティング施策に反映させることができます。
実際、Webマーケティングだけでは解決しきれない問題も多々存在します。
予約の電話がつながりにくい、営業時間やサービス内容が不明瞭などは、直接成果に影響することがあります。
自分自身で体験することにより、より広い視点からの改善案を導き出すことが可能です。
まとめ
この記事では、ユーザーの声を聞くための6つの方法を紹介しました。
ユーザーの声を聞くことは、彼らが直面している課題や認識を理解し、ウェブサイトの改善に役立てるために重要です。
しかし、生存者バイアスには注意が必要です。
たとえば、自社と接点があるポジティブなユーザーからのみアンケートを得ることができますが、接点のない顧客の意見は必ずしも反映されていないかもしれません。
また、ユーザーが自身のニーズを言語化するのが難しい場合もあります。
それでも、ユーザーの声が無価値だというわけではありません。
大切なのは、ユーザーの声を適切に収集した上で、マーケター自身が独自の視点で考え、施策を立案することです。
この記事で紹介したユーザーの声の聞き方を活用し、マーケティング施策の改善にお役立ていただければと思います。