広告ランクと品質スコアの違いとは?Google広告の運用に欠かせない指標と改善策を解説

広告ランクと品質スコアの違いとは?Google広告の運用に欠かせない指標と改善策を解説

Google広告で成果を上げるためには、「広告ランク」と「品質スコア」の理解が欠かせません。

しかし、この2つの指標の違いは誤って認識されがちです。

曖昧な理解のまま広告運用を進めてしまうと、広告の成果にも影響を及ぼす可能性があります。

  • 「広告ランク」と「品質スコア」は、それぞれ何を意味する?
  • 具体的にどのような違いがあるの?

この記事では、この2つの指標について、初心者の方にもわかりやすく解説します。

さらに、広告ランクと品質スコアを改善するための具体的な施策もご紹介しますので、ぜひ最後まで読んで、貴社の広告戦略に役立ててください。

目次

広告ランクとは?

Google広告において、広告ランクとは、広告の表示順位を決めるための指標です。

広告オークションという仕組みの中で、各広告の評価が行われ、その順位に応じて広告の表示位置が決まります。

広告ランクが高いほど、検索結果ページの上位表示の可能性が増しますが、競合の入札状況や検索クエリとの関連性などの他の影響も受けます。

広告ランクを構成する要素

広告ランクは、以下の3つの要素によって決定されます。

品質スコア

広告の品質を評価する指標で、1~10の数値で表されます。

品質スコアは、以下のような要素から総合的に判断されます。

  • 推定クリック率(広告がクリックされる割合)
  • 広告の関連性(検索キーワードと広告内容の一致度)
  • ランディングページの利便性(広告をクリックした後に表示されるページの使いやすさ)

品質スコアが高いほど、ユーザーにとって有益な広告とみなされ、広告ランクも高くなる傾向があります。

入札単価

広告主が設定する、1回のクリックに対して支払ってもよいと考える最高金額です。

入札単価が高いほど、広告ランクが高くなる可能性があります。

ただし、入札単価が高くても、品質スコアが低い場合は、広告ランクは上がりません。

広告表示オプション(アセット)

Google広告のアセット設定画面

 

広告に電話番号やサイトリンクなどの追加情報を表示する機能です。

これらのオプションを活用することで、広告の視認性やクリック率が向上し、結果として広告ランクがわずかに向上する場合があります。

主なアセットの種類
アセットの種類 役割
サイトリンク 関連性の高いページへのリンクを追加し、ユーザーの興味を引く情報を提供します。
コールアウト 商品やサービスのセールスポイントや特徴を簡潔にアピールします。
構造化スニペット 商品やサービスの価格、評価などを強調表示し、視認性を高めます。
画像  視覚的に訴求力のある画像や動画を広告に表示し、ユーザーの関心を引きます。
プロモーション セールや割引などの情報を表示し、ユーザーの購買意欲を高めます。
電話番号  スマートフォンで広告を見たユーザーがワンタップで電話をかけることができるようにします。
リードフォーム  ユーザーが広告から直接見込み顧客情報を送信できるフォームを表示します。
アプリ アプリのダウンロードを促すボタンを表示します。
価格 商品やサービスの価格を明示し、ユーザーの比較検討を促します。
住所 店舗の住所や地図を表示し、来店を促します。

広告ランクを構成する3つの要素

このように、広告ランクは、品質スコア、入札単価、広告表示オプションの3つの要素が複雑に絡み合って決定されます。

広告ランクが広告表示に与える影響

広告ランクが高いほど、広告はより上位に表示される可能性が高くなります。

検索結果ページの上部や、関連性の高いウェブサイトに広告が表示されることで、より多くのユーザーに見てもらえる機会が増え、クリック率やコンバージョン率の向上に繋がります。

品質スコアとは?

品質スコアは、広告の品質を評価する指標で、1~10の値で表されます。

Googleは、ユーザーにとって有益で関連性の高い広告を表示することを目指しており、品質スコアはその指標の一つとして重要な役割を担っています。

品質スコアを構成する要素

品質スコアは、以下の3つの要素によって決定されます。

推定クリック率

 広告が表示された際に、ユーザーがクリックする可能性を予測した値です。

推定クリック率

過去のクリック率データや、広告の内容、キーワードとの関連性などが考慮されます。

魅力的な広告文や、ユーザーの検索意図に合致したキーワード設定が重要です。

広告の関連性

広告とキーワード、または検索クエリとの関連性を評価する指標です。

広告の関連性

広告の内容がキーワードやクエリと密接に関連しているほど、高い評価を得られます。

キーワードと広告文の一貫性、ターゲット層に合わせたメッセージなどが重要です。

ランディングページの利便性

広告をクリックしたユーザーが、ランディングページで求める情報を見つけやすいか、使いやすいかなどを評価する指標です。

ランディングページの利便性

読み込み速度、ナビゲーションの分かりやすさ、コンテンツの質などが考慮されます。

ユーザーがストレスなく目的の情報にたどり着けるように、ランディングページの構成やデザインを最適化することが重要です。

品質スコアを構成する3つの要素

このように、品質スコアは、推定クリック率、広告関連性、ランディングページの利便性の3つの要素が総合的に評価されて決定されます。

品質スコアが広告ランクに与える影響

品質スコアは、広告ランクを決定する上で最も重要な要素の一つです。

品質スコアが高いほど、広告ランクが高くなり、広告はより上位に表示される可能性が高まります。

また、品質スコアが高い広告は、低い広告よりも低いクリック単価で同じ掲載順位を獲得できるというメリットもあります。

広告ランクと品質スコアの具体的な違い

広告ランクと品質スコアは、どちらもGoogle広告の掲載順位に影響を与える重要な指標ですが、その役割や改善方法は異なります。

指標 定義 構成要素
広告ランク 広告の掲載順位を決める総合的な指標 ・品質スコア
・入札単価
・広告表示オプション(アセット)
品質スコア 広告の品質を評価する指標
(1~10点)
・推定クリック率
・広告の関連性
・ランディングページの利便性

広告ランク向上のための施策

入札単価は、広告ランクに直接影響を与える要素の一つです。

適切な入札単価を設定することで、広告の掲載順位をコントロールし、広告効果を最大化することができます。

入札単価の調整

上限クリック単価の見直し

キーワードごとの上限クリック単価を設定し、目標とする掲載順位やクリック単価を考慮しながら調整します。

例えば、特定のキーワードで上位表示を狙いたい場合は、上限クリック単価を引き上げることも検討できます。

運用イメージとしては以下のとおりです。

・コンバージョン率の高いキーワードには、より高い上限クリック単価を設定し、優先的に上位表示を狙う。

・競争の激しいキーワードには、
上限クリック単価を引き上げ、競合との入札競争に勝てるようにする。

自動入札戦略の活用

Google広告には、「コンバージョン数の最大化」「目標コンバージョン単価」制や「クリック数の最大化」など、自動で入札金額を最適化する仕組みが用意されています。

これらの戦略を活用することで、効率的に広告ランクを向上させることができます。

自動入札戦略の活用イメージは以下のとおりです。

コンバージョン数の最大化

設定した予算内で、より多くのコンバージョンを獲得できるよう、自動的に広告の入札単価を調整する。

目標コンバージョン単価

目標とするコンバージョン単価を設定し、それに合わせて自動的に広告の入札単価を調整する。

クリック数の最大化

予算内でできるだけ多くのクリックを獲得できるように、自動的に入札単価を調整する。

 

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Google広告の入札戦略「学習中」いつまで?期間と要因、改善策を解説

競合調査

競合他社の入札単価を調査し、自社の入札単価と比較することで、適切な入札単価を設定する際の参考にすることができます。

 

ここでは、入札単価の調整について解説しました。

入札単価の調整は、広告効果を最大化するために非常に重要な要素です。

上記の方法を参考に、自社の状況に合わせて適切な入札単価を設定するようにしましょう。

広告表示オプションの活用

広告表示オプションは、広告のクリック率やコンバージョン率の向上に寄与します。

適切なオプションを活用することで、ユーザーの興味を引く情報を追加し、広告効果を最大化することができます。

サイトリンク

 Google広告のサイトリンクは、検索広告の下に追加で表示されるリンクで、クリック率やコンバージョン率の向上に貢献します。

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サイト内の特定のページへのリンクを複数表示することで、ユーザーのニーズに合った情報を提供し、より効果的な広告運用が可能になります。

サイトリンクには、広告主が手動で設定する標準サイトリンクと、Googleが自動的に生成する動的サイトリンクの2種類があります。

標準サイトリンクは、リンク先と表示テキストを自由に設定できるため、広告との関連性を高め、ユーザーを適切なページに誘導できます。一方、動的サイトリンクは設定の手間が省ける一方、表示されるリンク先は完全に制御できないため、定期的な確認が必要です。

サイトリンクを設定する際は、広告の内容と関連性の高いページへのリンクを設定し、ユーザーの興味を引くような簡潔で分かりやすいリンクテキストを作成することが重要です。

 

サイトリンクの例

  • 「レディースファッション」「メンズファッション」「キッズファッション」といったカテゴリ別のリンクを追加する。
  • 「期間限定セール」「新商品入荷」といった情報を伝えるリンクを追加する。

コールアウト

Google広告のコールアウトアセットは、広告の見出しや説明文とは別に、商品やサービスの具体的な特徴やセールスポイントを短いテキストで強調表示できる機能です。

例えば、「送料無料」「24時間サポート」「期間限定セール」といった情報を追加できます。

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コールアウトアセットは、広告の視認性を高め、ユーザーの関心を惹きつける効果があります。

 

コールアウトの例

  • 「送料無料」「24時間サポート」「安心の返金保証」といったセールスポイントをアピールする。
  • 「高品質」「低価格」「豊富な品揃え」といった特徴をアピールする。

構造化スニペット

Google 広告の構造化スニペットは、広告内で商品やサービスの特定の側面を強調表示できる機能で、広告テキストの下にヘッダーと値のリストの形式で表示されます。

これにより、広告の視認性を高め、クリック率の向上や広告の関連性の向上に貢献します。

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Google 広告では、サービス、商品のブランド名、教育コースの名前、旅行の目的地など、様々な種類の構造化スニペットが利用できます。

構造化スニペットの例

  • 商品の価格やレビュー評価を星の数で表示する。
  • イベントの日時や場所を分かりやすく表示する。

電話番号表示オプション

スマートフォンで広告を見たユーザーが、ワンタップで電話をかけることができるようにします。

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電話番号表示オプションの例

  • 電話受付時間を明記する。

品質スコアの改善

品質スコアは、広告ランクに大きく影響するだけでなく、広告費用対効果にも直結する重要な指標です。

品質スコアを高めるためには、以下の3つの要素を改善していく必要があります。

広告文の改善

広告グループ内のキーワードと関連性の高い広告文を作成し、ユーザーの検索意図に合致した情報を提供します。

改善ポイント
  • 広告グループのキーワードと広告文に共通のキーワードを含める。
  • 広告文に、ユーザーが求める情報を具体的に記載する。
  • 限定特典や割引情報を記載し、ユーザーの行動を促す。

キーワード選定の見直し

検索ボリュームが十分にあり、競合性が低く、自社の商品やサービスと関連性の高いキーワードを選定します。

改善ポイント
  • キーワードプランナーなどのツールを活用し、検索ボリュームや競合性を調査する。
  • ニッチなキーワードやロングテールキーワードも積極的に活用する。
  • ネガティブキーワードを設定し、不要なクリックを排除する。

ランディングページの最適化

読み込み速度を改善し、モバイルフレンドリーなデザインを採用します。

また、ユーザーが求める情報を見つけやすく、コンバージョンしやすいページ設計を心がけます。

改善ポイント
  • ページの表示速度を高速化する。
  • スマートフォンやタブレットにも対応したレスポンシブデザインを採用する。
  • コンテンツを整理し、見やすく分かりやすいレイアウトにする。
  • コンバージョンポイントを明確にし、誘導しやすいように配置する。

 

ランディングページについてもっと詳しく知りたい方は、「ランディングページ(LP)とは?作成するメリットと構成・作り方を解説」という記事もチェックしてみてください。

広告ランクと品質スコアに関するよくある質問

広告ランクと品質スコアについて、よくある疑問にお答えします。

Q1: 広告ランクと品質スコアはどちらを優先して改善すべきですか?

A: 基本的には、品質スコアを優先して改善することをおすすめします。

品質スコアは、広告のクリック率、関連性、ランディングページの利便性などを総合的に評価する指標です。

品質スコアが高いほど、Googleは広告を「ユーザーにとって価値のある情報」と判断し、より低いクリック単価で上位表示できる可能性が高まります。

入札単価を上げることも広告ランクを上げる一つの方法ですが、一時的な効果しか期待できません。

長期的に広告効果を最大化するためには、品質スコアを改善し、広告の質を高めることが重要です。

つまり、品質スコアを改善することで、広告ランクを上げつつ、広告費用を抑えるという、効率的な広告運用が可能になるのです。

Q2: 品質スコアを上げるために最も効果的な施策は何ですか?

A: 品質スコアを構成する3つの要素(推定クリック率、広告関連性、ランディングページの利便性)すべてをバランス良く改善することが重要です。

特に、ユーザーの検索意図とニーズに合致した広告文の作成と、ランディングページの最適化が効果的です。

Q3: 広告ランクや品質スコアはどれくらいの頻度で見直すべきですか?

A: 広告の掲載状況や競合状況によって異なりますが、少なくとも週に1回は確認し、必要に応じて改善策を実施しましょう。

品質スコアは、Google広告の管理画面から以下の手順で確認することができます。

 

品質スコアの確認方法:

  1. Google広告管理画面にログインします。
  2. キャンペーンを選択し、「キーワード」タブをクリックします。
  3. 表の上部にある「列」アイコンをクリックし、「品質スコア」を選択します。
  4. 過去の品質スコアを確認するには、「品質スコア(履歴)」を選択します。

まとめ

広告ランクと品質スコアは、Google広告を成功させる上で非常に重要な指標です。

それぞれの違いを理解し、適切な施策を実施することで、広告効果を最大化することができます。

ぜひこの記事でご紹介した施策を試して、広告のポテンシャルを最大限引き出し、ビジネスの成長に繋げてください。

リスティング広告やその他の広告運用について、専門家に相談したい方は、弊社(株式会社アクシス)までお気軽にご相談ください。

この記事で紹介した用語解説

  • 広告ランク:広告ランクとは、Google広告での広告の表示順位を決定するための指標です。広告ランクが高いほど、広告は検索結果の上位に表示されやすくなります。広告ランクは、入札単価品質スコア広告表示オプションなどの要素によって決まります
  • 品質スコア:品質スコアは、広告の品質を評価するための指標で、Googleが広告の関連性やユーザー体験をもとに1~10のスコアで評価します。主に以下の3つの要素から構成されます。
    • 推定クリック率: 広告がクリックされる可能性を予測する指標。
    • 広告の関連性: 広告が検索キーワードやクエリにどれだけ適しているか。
    • ランディングページの利便性: 広告からリンクされたページがユーザーにとって使いやすく、目的に合っているか。
  • 入札単価:入札単価は、広告主が1クリックあたりに支払うことを許容する最大金額のことです。Google広告では、この入札単価が広告ランクに影響を与えます。高い入札単価を設定すれば、広告ランクが上がる可能性がありますが、品質スコアが低いと効果が薄れる場合があります。
  • 広告表示オプション(アセット):広告表示オプションとは、広告に追加情報を表示する機能です。例えば、電話番号やリンク、画像などを広告に加えることで、広告の視認性やクリック率を向上させることができます。代表的な表示オプションには以下のものがあります。
    • サイトリンク: 広告内に特定ページへのリンクを追加する。
    • コールアウト: 商品やサービスの特徴を短く表示する。
    • 構造化スニペット: 商品やサービスの特定の側面を強調表示する機能。
  • 推定クリック:推定クリック率は、広告が表示された場合にユーザーがクリックする可能性を予測した指標です。過去の広告パフォーマンスや、広告文の魅力、キーワードとの関連性などが考慮されて算出されます。
  • ランディングページ:ランディングページとは、広告をクリックしたユーザーが最初にアクセスするページのことです。このページがユーザーにとって使いやすく、必要な情報が見つかりやすいことが、広告の成果に大きな影響を与えます。ランディングページの読み込み速度やデザインの最適化も重要な要素です。
  • 自動入札:自動入札は、Google広告が広告主の目標に基づいて、入札単価を自動で調整する仕組みです。たとえば、「コンバージョン数の最大化」や「目標コンバージョン単価」に合わせて、効率的に広告運用を行うことができます。
  • コンバージョン:コンバージョンとは、ユーザーが広告をクリックして達成する最終的な成果を指します。たとえば、購入、問い合わせ、ダウンロードなどがコンバージョンに該当します。広告運用では、いかに多くのコンバージョンを獲得するかが重要です。
  • ネガティブキーワード:ネガティブキーワードは、広告が表示されないように指定するキーワードのことです。無関係な検索クエリに対して広告が表示されないようにすることで、不要なクリックを防ぎ、広告費用を効率的に使うことができます。